自己満足の殿堂

NO FALCONS, NO LIFE

【通信簿2020】今シーズンのファルコンズを振り返る

 レギュラーシーズンも終了ということで,今回はシーズンを通しての選手評価をしていこうと思います.前半戦(Bye前のWeek9まで)の通信簿はこちらからどうぞ

majoranafalcon.hatenablog.com

 こういう評価系の記事は今年からなのですが,私がやるとかなり厳しくなってしまうということがわかりました.まあ,成績が成績だししょうがないか......

 

 評価はポジションごとに加え,主力選手は個人評価も入れていこうと思います.ポジションの評価に関してはスタッツメインかつ控えの選手の評価も考慮するので,個人の評価の平均となっていないことに注意してください.

 評価方法は単純に5点刻み100点満点で採点し,90点以上でS,80点以上でA,70点以上でB,60点以上はCでここまでが合格ライン,59点以下は不合格でFとします.

 

 スタッツはPro Football reference,ESPNからとってきています.D#に関しては,両サイトで若干数値の違いがあるので,ESPN参照のシーズン成績を載せています.

 

オフェンス

QB

50点 F (-15) 

 マット・ライアン 50点 F (-15) 

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 細かい評価等は後日「MattyIce通信」の方でまとめる予定です.
 前半戦はD#の崩壊により,ライアンの力ではどうにもできない敗戦が何試合かありましたが,後半はNO,@LAC,TB,@KCなどライアンが頑張れば勝てたかもしれない試合が多くあったので点数を下げました.

 スタッツも後半は悪く,特にWeek11-14までは成功率55.1%, 4TD, 6INT, Rate 66.0, YPA6.6と乱調.

 PFFグレードはWeek9→Week17で83.5(8位)→83.1(11位),QBRは78.7(7位)→66.8(16位)と下がっています.

 

WR

80点 A (-5) 

フリオ・ジョーンズ 75点 B (-10) 

カルビン・リドリー 80点 (-5) 

ラッセル・ゲイジ 80点 (+5)

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 フリオは後半戦はハムストリングの怪我でほとんど出れていないのでダウン.

 その代わりにメインターゲットとなったリドリーは100Ydsゲーム数,20+Ydsのレシーブ数はリーグ1位Tではありますが,TDが前半に比べて減った,キャッチ率が低い等,物足りない部分は感じています.

 それでもなんだかんだ2nd Team All-Proに選出.まだまだ伸びます.

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  3人の中で唯一評価を上げたのは後半はWR2のゲイジ.こちらはリ後半のリドリー以上に勝負強さが光る場面が多く,(パス)O#が苦しい中でなんとか持ち堪えることができたのは彼の貢献が大きいと思います.

 

RB/FB

40点 F (-20)

トッド・ガーリー 40点 (-25)

ブライアン・ヒル 45点 F

イトー・スミス 60点 C

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 ガーリーはシーズン序盤こそ1000Ydsペースだったものの,後半は失速し,スナップ数も激減.シーズン終盤からはRB1→RB2に降格ファルコンズの得点力向上への貢献が期待されましたが,来季の契約延長はまずないでしょう.

 ヒルはスタッツはそこそこに見えますが,これはWeek17の62Ydsランのおかげであり,ガーリーと同じく不合格.

 後半戦唯一及第点のパフォーマンスを見せたのはイトー・スミス.最終的にRB1となりましたが,当ブログでも述べているように1番手としては明らかに物足りない.2番手としては平均以上くらいというところでしょうか.

 一応レシービングの方も載せておきます.レシーブに関しては去年のフリーマンの方が圧倒的に貢献度は高いです.ファルコンズにはレシーブのできるタイプのRBの方が合うと思うので,ドラフトに期待したいところ.

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 あまり気にしていませんでしたが,FBのキース・スミスは地味にPFFグレードが1位/12人だそうです.ここに関しては特にいうことはないでしょう. 

 

TE

55点 F (±0)

ヘイデン・ハースト 65点 C

ルーク・ストッカー 45点 F

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 3年目のハーストはWeek11-14で失速し,Week15以降は3試合連続でTDとなんとか盛り返しました.今シーズンはレシーブの後すぐに捕まって悔しがってる場面が多かった印象です.昨年まで在籍していた現CLEのオースティン・フーパーの3年目と比較すればそこまで大きな差はないですが,フーパーの方がレシーブが上手いのは事実.現状,点数はそこまで高くありませんが,ここから伸びていくと信じているので現状そこまで心配していません

 ベテランブロッキングTEのストッカーは,後半はレシーブでの1stダウン獲得や,ヒルの62Ydsゲインの際のブロックなど良い場面もあったが,それだけ.ハーストが1番手の中の2番手と考えるとどう考えても物足りない.

 一応,3番手のグラムもいますが,前半と同様いつ出ていたか分からないレベル.

 ドラフト中位くらいでとった方が良さそう.

 

OL

60点 C (-10)

LT ジェイク・マシューズ 70点 B (±0)

LG ジェームズ・カーペンター 55点 F (-5)

C アレックス・マック 65点 C (-5)

RG クリス・リンドストロム 80点 (±0)

RT カレブ・マクゲイリー 60点 C (-5)

 前半戦はランブロ,パスプロともにグレードアップとポジっていましたが,後半は強力なDLを誇る相手を前に苦戦.サック数に関してはライアン持ちすぎ問題もありますが,前半9試合で19だったのが後半7試合で21.試合平均で約1増えています.ESPNによればPass Block Win Rateは57%でリーグ16位,Run Block Win Rateは69%で28位.全体としては現状は平均より下くらいでしょうか.

 また,後半はLGカーペンター,Cマックは怪我でそれぞれ3試合,2試合欠場.その代役をLGにゴノ,Cにヘネシーが入りましたが,悪くはないけど別段良くもないという感じ.ヘネシーに関してはFAとなるマックの後釜が期待されているので良い経験になったのではないでしょうか.

 昨年のドラ1コンビはRGリンドストロムはPFFグレードは9位/84人と順調に成長,一方でRTマクゲイリーは56位/83人とかなり微妙.マクゲイリーに関してはパスプロが甘い部分があり,相手のスターパスラッシャーはなかなか止められていません.特にキャメロン・ジョーダン.

 同地区のチームはどこもDLが優秀で力のあるパスラッシャーを揃えているので,それをしっかり抑え込めるOLの構築は地区を生き残る上でマスト.

  可能性は低そうですが,ドラフト4位でオレゴン大のスウェルが取れるならば,指名もなしではないと思ってます.

 

ディフェンス

DT

75点 B (-5)

グレイディ・ジャレット80点 (-5)

タイラー・デヴィスン 50点 (+10)

ジョン・コミンスキー 60点 C 

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 試合あたりのラン喪失ヤードが95.6Ydsでリーグ6位と優秀だが,相手のラン自体がリーグで2番目に少ないのと,1キャリーあたりの喪失ヤードが4.4Ydsでリーグ15位と盤石というわけでもありません.

 このユニットの大黒柱であるジャレットは後半少し調子を落とした感はありますが,パスラッシュ,ランストップともに高水準.

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  残りのデヴィソンとコミンスキーはそこまで大差はない印象ですが,現状コミンスキーの方が良いかなと思っています.

 このポジションに関してはファルコンズD#の中では相当優秀な方なのでドラフト上位での優先度は低いかなと思います.ただ,実際Week2, 17で怪我で離脱した際の影響を見ればわかるようにジャレットありきなのは事実なので,彼以外の面子の成長に期待したいところです.

 

DE

30点 F (±0)

ダンテ・ファウラーJr. 40点 F (±0)

ティーブン・ミーンズ 35点 F

ジェイコブ・トゥイオティ=マリナー 45点 F

アレン・ベイリー 30点 F

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 間違いなくリーグ最低レベルのユニット.Pass Rush Win Rateは49%でリーグ4位という驚きのデータがあるが,これはほとんどDTジャレットのおかげ.(ちなみにRun Stop Win Rateも4位.)実際,サック数も全員ジャレット以下.

 まず,パスラッシュ増強のためにFAで補強したファウラーは見事に爆死.シーズン3サックはキャリアワーストで,去年の11.5サックはやはりチームにドナルドがいたからなのかもしれない.来年以降サラリーが上がるので,このままの状態が続くと近年最低レベルのFAバストになる可能性.

 ミーンズ,ベイリーのベテランコンビはまあこんなもんでしょうという成績ですが,そもそもこの二人のスナップ数がポジション内1位と3位の時点でこのチームのDE事情がいかに終わっているかがよくわかります.

 トゥイオティ・マリナーはWeek12で週間MVPを獲得というサプライズがありましたが,その後は目立った活躍はなし.

 ドラフトのニーズ的には一番優先度が高いと思っています.しかし,残念なことに一昨年のボサ,去年のヤングのように最上位で指名するのにふさわしいプロスペクトが不在なのが非常に痛い.また,ドラフトだけでは不十分かつ,FAで大型契約も非現実的なので,現状のメンバー,特にファウラーの復活やトゥイオティ・マリナーの成長が不可欠

 

LB

80点 A (±0)

フォイエ・オルオクン 75点 B (±0)

ディオン・ジョーンズ 75点 B (±0)

イカル・ウォーカー 75点 B

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 まず,ブレイクイヤーとなったオロウクンはタックル数チームトップ,FF4はリーグ4位T(同率10人)でした.特に,チーフス戦のレッドゾーンでのINTが印象的でした.

 ディオン・ジョーンズはタックル数は6試合に出場に終わった18年以来最低の数字(ちなみに16年は16試合換算で約140ペース).一方,サック数はキャリアハイかつチームトップでしたが,これはパスラッシュが掛からずブリッツを多用した結果かもしれません.

 ウォーカーは今年のドラフトで1番の掘り出し物.スナップ数はが少なく,ビッグプレーがあったというわけではありませんが,PFFグレードはルーキーLB中1位,ファルコンズのD#選手全体でも2位.バレージグレードは90.7152回のカバレージスナップで74Ydsしか許していないそうです.さらにPFFのオールルーキーチームにも選出.来年のブレイク候補.

 突出した選手がいるわけではありませんが,3番手まで高いレベルでまとまっています.さらに,オロウクン,ウォーカーという期待の若手もいる分,ファルコンズD#で希望のもてるポジションでしょう.

 

CB

35点 F (-15)

A.J. テレル 60点 C (-10)

アイゼア・オリバー 45点 F (-5)

ケンドール・シェフィールド 30点 (±0) 

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f:id:majorana0923:20210111214915p:plain(写真2枚目に関してはPro Football Referenceより)

 

 まず,ドラ1テレルは前半戦は良かったものの,後半はマイケル・トーマス,マイク・エバンスらリーグ有数のWR相手に良いようにやられてしまいました.いずれも同地区の選手ゆえ来年以降も多く対戦することになるので,今年の反省を生かして欲しいところ.

 オリバー,シェフィールドは成功率70+%, Rate120近くということで,少なくともスターターのレベルではありません

 若手は苦戦しましたが,ベテランは予想を超えるパフォーマンスを見せました.

デナードは8試合の出場に留まりましたが,かなり安定していたと思います.しかし,終盤のTBとKC戦に出ていないので,そこでスタッツが荒れていた可能性もあります.

レ・ウィルソンはスナップ数は少ないですが,INT数はチームトップ,さらにCAR, LAC戦で2minで2回のINTと勝負強さが光りました.

 パスD#は成功率26位,YPA28位,喪失ヤード32位,TD30位,Rate27位,20+Ydsのパスの成功数32位とあまりにも悲惨.ドラフト上位で指名したいところですが,最優先がエッジラッシャーであること,大型補強するお金もないこと,デナードとレ・ウィルソンがFAであることを考えると重点的な投資は難しそう.そのため若い面子の成長が不可欠ですが,オリバーとシェフィールドじゃなぁ......

 

S

65点 C (-5)

キアヌ・ニール 70点 B (±0) 

リカルド・アレン 60点 C (±0) 

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  ニールはここ2年間ほとんど出場していなかったことを感じさせないパフォーマンスでした.

 アレンは今シーズンに関してはCBですが,一応本職の方で載せておきます.正直,成績はすこぶる微妙ですが,DBに関しては頭数が足りないので,妥協せざるを得ないという感じ.パスカバーに関してはビッグプレーに(悪い意味で)関与することが多かったです.

 このポジションに関しては,今シーズンがどうだったかというより来シーズンがヤバい.1番手のニールに加え,今シーズンは怪我で4試合しか出ていませんが,18年のINTリーダー,ケイズィーがFA. ここもドラフト上位指名の優先度は高め.

 

スペシャルチーム

K

75点 B(+5)(ヤンウェイ・クー)

 37/39で成功数1位(フランチャイズレコード),成功数は3位,50+Ydsは8/8,プロボウル初選出と大躍進のシーズンになりました.一方で,試合を決定する場面でのキックがほとんどなかった,さらにはKC戦でのOTがかかった場面での失敗等もあり,オールプロには選ばれませんでした.今年FA.

 

P

55点 F(スターリング・ホフリッチャー)

 スターターでは平均Ydsが最下位,その他スタッツも低水準ですが,ルーキーイヤーは大目に見ると決めたので我慢.(それにしてもパントが有利にはたらいた場面はほとんどなかったなぁ.)

 

まとめ

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 シーズン通してのPFFグレードは以下の通り.

 個人的な2020シーズンのMVPは......

O#:カルビン・リドリー WR

D#:フォイエ・オルオクン LB

にしておきます.惜しくも落選はRGリンドストロム,Kクー.正直,MVPは勝利にどれだけ貢献したかで決めるべきだと思っているのですが,如何せん4勝しかしていないので該当者とめちゃくちゃ迷いました笑

 

 開幕前の記事では,「終盤までプレーオフ争いに絡むこととと,貯金を作ること」が個人的な願望と述べましたが,見事に期待を裏切られる形に.Week2のDAL戦を落としていなかったら全てが変わっていたかもしれないと思うと悔しいシーズンです.

 来シーズンは新GM,HCの下,新生ファルコンズに期待したいところですが,まず待ち受けるのが絶望的なキャップ事情.ライアン(40M),フリオ(23M),ジャレット(20M),マシューズ(20M)の4人だけで約100Mという地獄.さらに,全体のキャップも今年より下がるため,この4人で半分以上占有することになります.また,現状すでに30Mほどオーバーしており,補強はほぼドラフトに頼るしかない状況です.それゆえに今持っている全体4位の使い方が,チームの未来にとっていかに重要かは言うまでもありません.