【通信簿2020】前半戦のファルコンズを振り返る
今週はBye Weekということで,普段の「MattyIce通信」ではなく前半戦9試合の軽い振り返りをしていきたいと思います.(本当は8試合が良かった)
評価はポジションごとに加え,開幕時点でスターターだった選手は個人評価も入れていこうと思います.スターターの怪我等でスナップが200を超えている選手は成績も載せておきます.ポジションの評価に関してはスタッツメインかつ控えの選手の評価も考慮するので,個人の評価の平均となっていないことに注意してください.
評価方法は単純に5点刻み100点満点で採点し,90点以上でS,80点以上でA,70点以上でB,60点以上はCでここまでが合格ライン,59点以下は不合格でFとします.また,採点はファルコンズがプレーオフを目指しているという前提で行います.
オフェンス
QB
65点 C
マット・ライアン 65点 C
3勝しかしてないのに合格点をあげるのはどうなのかという意見はあると思います.しかし,Week2のDAL戦とWeek7のDET戦に関してはライアンのパフォーマンスは文句なしだったので,本来なら5勝はできたということにしてこの点数にしました.
Week3, 4, 5あたりはかなりひどい内容で,来季以降の先発の座が危ぶまれるほどでしたが,Week6以降は完全に復調.
スタッツに関してもTDが減ってしまったのを除けば,昨年(画像2枚目)よりも向上しています.地味にライアンはシーズンのINTが一桁だったのが,10年,16年,18年の3度しかないので今年は期待したいです.28TD,8INTくらいで落ち着いて欲しいなあ.
ちなみに,PFFグレードは83.5でQBで8位,ESPNのQBRは78.7で7位とかなり良い位置につけています.
WR
85点 A
フリオ・ジョーンズ 85点 A
カルビン・リドリー 80点 A
ラッセル・ゲイジ 75点 B
リドリーよりフリオの方を高く評価しました.リドリーも素晴らしい選手ですし,開幕3試合くらいまではオールプロ級の活躍でした.しかし,それ以降はやや失速気味で,この傾向が過去2年続いているのが少し気になりました.まだやれるという気持ちを込めて少し低めにしました.去年までいたTEフーパーと同じくらいの成長速度な気がします.それでも今年は1,000Ydsは絶対超えて欲しいです.
フリオに関しては,怪我に苦しんだ時期がありましたが,出れば必ずインパクトを残してくれました.リーグ最強のWRだけのことはあると思います.トレードの話もありましたが,ファルコンズの選手でいたいと言ってくれたのもすごく嬉しかったです.
ゲイジは3番手としては十分な働きをしてくれました.特に3rd Downで勝負強さを発揮し,試合中の負傷も何度かありましたが,なんだかんだで全試合に出場しています.
ここでは採点していませんが,オラミデ・ザキーエスもWeek9で大活躍し,ディープのターゲットとして攻撃の幅を広げてくれることに期待したいです.
RB/FB
65点 C (FBも含めたつもり)
トッド・ガーリー 65点 C
C評価とあまり高くないですが,かなり前向きに捉えています.その理由は去年のフリーマンの9試合出場時点での成績(下の画像)と比較すれば明らかです.
ガーリーは実はあまり期待していなかったのですが,Week5までは予想をはるかに上回る内容,それ以降は期待通りという感じで全体としてやや期待を超える内容でした.しかし,DET戦での(悪い方向に)試合を決めるTDの影響で10点くらい下げました.
ブライアン・ヒルはあまりスタッツを気にしていなかったのですが,想像していたより悪くない内容でした.ここ4試合くらいはガーリーと大差ないパフォーマンスだと思いますが,それがガーリーが落ちてきているのが大きいです.ランO#が弱めのファルコンズ的にはまあ可もなく不可も無くといった内容です.
あと,RB陣ももう少しパスプレーに関与して欲しいなと思っています.(NOのカマラのような選手が大好きな私の完全に個人的な意見です)
TE
55点 F
ヘイデン・ハースト 65点 C
ハーストはレシービングヤードがすでにキャリアハイと本来の力を発揮しつつあると思います.昨年のフーパー(2019)の9試合時点での成績と比較すると見劣りしますが,現在のハーストと同じく3年目の成績を比較すれば,フーパー(2018)とかなり近いことがわかります.
他の面子はもはや無.TEストッカーはレシービングは疎か,本職のブロッキングもイマイチと良いとこなし,TE3のグラムはもはやいつ出ていたかもわからないレベル.
正直,まともがTEがハーストしかいないので,デプスの強化はオフの一つポイントになってくるでしょう.
OL
70点 B
LT ジェイク・マシューズ 70点 B
LG ジェームズ・カーペンター 60点 C
C アレックス・マック 70点 B
RG クリス・リンドストロム 80点 A
RT カレブ・マクゲイリー 65点 C
採点は割と適当です.去年はボロボロだったドラ1ユニットは今年はパスプロ,ランブロ共にグレードアップしています.昨年のドラ1コンビRGリンドストロム,RTマクゲイリーは順調に成長しており,特にリンドストロムに関してはGでPFFグレード8位とリーグでも上位の活躍をしています.
G Chris Lindstrom
— PFF ATL Falcons (@PFF_Falcons) 2020年11月11日
2019 overall grade: 66.6 (309 total snaps)
2020 overall grade through 9 games: 76.4 (653 total snaps)
T-8th highest graded G in NFL pic.twitter.com/A68cw0h2da
唯一評価の低いLGのポジションにはルーキーのヘネシーが入る場面がありましたが,流石にまだカーペンターの方がいいかなあと思います.ここも,補強ポイントになってくるでしょう.
ディフェンス
DT
80点 A
グレイディ・ジャレット 85点 A
タイラー・デヴィスン 40点 F
なぜかラン喪失ヤードがリーグ7位と優秀.正直な話,パスD#がザルすぎて投げられまくっているというのはありますが,それを考慮しても平均以上の力を持っているユニットです.それを支えているのがファルコンズD#のトップスター,グレイディ・ジャレット.ドラフトは下位指名ですが今やリーグ有数のDTとなり,今シーズンもランブロック,パスラッシュともに抜群のパフォーマンスが続いています.
デヴィソンはあまりにも印象に残ってないし,成績も虚無そのものでした.開幕時点では2番手でしたが,直近の試合では2年目のコミンスキーの方がスナップ数が多かったこともあり,序列が変わるのも時間の問題かもしれません.
DE
30点 F
タック・マッキンリー 30点 F
ダンテ・ファウラーJr. 40点 F
開幕前は全てが噛み合えばリーグ平均くらいのユニットにはなるかもと思っていましたが,結局何も噛み合いませんでした.サックとは無縁ですが,pass rush win rateは高いらしい.これ全部ジャレットのおかげなんじゃ......
Defense Win Rates through week 9. Up and right is good. pic.twitter.com/3M6A7W2TAh
— Brian Burke (@bburkeESPN) 2020年11月10日
個人としてはタックは怪我で大体欠場,Twitterで自虐まじりでチームを煽る発言など,フィールド内外で残念な状況に.もうファルコンズの選手ではないですが,余裕で不合格です.
ファウラーはビーズリーのアップグレードとして期待されましたが,正直期待外れ.過去の記事では爆発力はあるが安定感はないのが懸念と述べましたが,今シーズンは低水準で安定という一番不味い状態に.PFFグレードもDEで91位/107人と壊滅.不合格ッ!
タックが欠場している間は,ミーンズ,ハリス,トゥイオティ=マリナーのスナップが増えていますが,当然厳しい状況に変わりはありません.
LB
80点 A
フォイエ・オルオクン 75点 B
ディオン・ジョーンズ 75点 B
最も平均レベルの高いユニット.その要因はやはりオルオクンの成長でしょう.タックルの質,パスカバー,プレーへの感度いずれも明らかに成長していますし,Week9ではキャリア初の週間MVPを受賞.リーグでも平均以上のLBとなりましたが,成績が飛び抜けて良いというわけでもないのでこの点数にしました.今シーズンの後半もどんどんステップアップして行って欲しい選手です.
ディオン・ジョーンズは例年に比べてタックル数はやや少ないですが,サック数とQBヒットが既にキャリアハイ,TFLも例年より多く上々のパフォーマンスだと思います.
新人のマイカル・ウォーカーも大きく目立つプレーはないですが,お馴染みPFFの評価はそこそこ高く,この先に期待が持てそうな選手です.
CB
50点 F
A.J. テレル 70点 B
アイゼア・オリバー 50点 F
ケンドール・シェフィールド 30点 F
一番問題児の多いユニット.テレルは今年の1巡CBでは一番活躍しているんじゃないでしょうか.長くファルコンズのエースCBとして活躍して欲しいですね.
オリバーは毎試合大体やらかすことで有名.カバーはかなり危なっかしいですが,たまにいいタックルをします.でもやらかし成分が強すぎてトータルはマイナス.
シェフィールドは素人目で見ても何故スターターだったのかわからないレベル.直近の試合でデナードが復帰したので,今後は出場機会は減っていくと思います.ちなみに,デナードは上の成績を見ればわかるように結構頑張っています.
テレル,デナード,オリバー...やっぱり不安が残りますね.
S
70点 B
キアヌ・ニール 70点 B
リカルド・アレン 60点 C
ダモンテ・ケイズィー 65点 C
ニールは怪我に悩まされるシーズンが続いていましたが,今シーズンは復活.16,17年の頃の激しいタックルが再び見られて嬉しい次第です.
アレンはあまり気にしていませんでしたが,CBでのプレーが多いです.開幕直後はD#の穴になるかもと予想していましたが,そこまで酷くない印象.まあ,60点が妥当かなと思います.
ケイズィーはWeek4で怪我をしてシーズンエンドとなりました.数少ないまともなDBなので惜しいですね.
Sの前半総括としてはニールが逝ったら終わる,健康ならそこそこやれるといった感じですね.
スペシャルチーム
K
70点 B(ヤンウェイ・クー)
FG成功数リーグ1位(21),成功率もリーグ4位(95.5%)と成績だけならリーグトップレベル.ワンチャンプロボウルもある.しかし,PAT成功率が29位/31人で,しかも外すシチュエーションが良くない.ということで信頼を勝ち取り切れない状態が続いています.ちなみにPAT全部決めていたら唯一の90点越えも見えます.
P
55点 F(スターリング・ホフリッチャー)
ルーキーには優しい私ですが,パントの平均飛距離が最下位では流石に合格点はあげられません.それでも期待を込めてギリギリまで高い点数にしました笑
KR
60点 B(ブランドン・パウエル)
ビッグリターンが少ないので気にしていませんでしたが,パントリターンの平均Ydsはリーグ7位(10.2Yds)と意外と優秀.ちなみにキックオフリターンは20位.リターンで大きなアドバンテージを得た場面が少ないので評価は迷いましたが,別段ひどいわけでもないのでこの点数にしました.
まとめ
全体を通して少し厳し目の評価に感じるかもしれませんが,開幕5連敗のときの状態の影響が強いというのと,やはりプレーオフを狙うチームとしてはもう少し頑張って欲しいというのが主な理由です.もちろん,それでもポジティブな要素は多くありますし,各ポジションBye明けの残り7試合で評価が良くなる余地は十分あると思います.それでもプレーオフは厳しいですが.
そして,前半戦の個人的なMVPですが
O#:フリオ・ジョーンズ WR
D#:グレイディ・ジャレット DT
です.リドリー,リンドストロム,オルオクンと大活躍している選手はいるものの,やっぱりこの2人がいないと始まらないなと感じることが多かったです.
先週も述べましたが,Bye明けからはこの世の地獄みたいな日程です.強敵との対戦の中で来年以降に希望を見出せるような内容に期待したいと思います.そして,あわよくば2,3試合くらいアップセットが見たい!
余談ですが,せっかく大学っぽい成績の決め方をしたのでGPAを算出してみました.単位数はK,P,KRがそれぞれ1でそれ以外は全て2で計算しました.その結果は1.5でした.うーん,ギリギリ卒業できそうなレベルですが,落単があまりにも多すぎる.