自己満足の殿堂

NO FALCONS, NO LIFE

【通信簿2022-23】今シーズンのファルコンズを振り返る O#編

 今回は独断と偏見で2022-23年のレギュラーシーズンの通信簿をつけていきたい思います.昨年も同じような振り返り記事を書いていますので,昨年と比べて見たい方はこちらからどうぞ.

majoranafalcon.hatenablog.com

 評価はポジションごとに加え,スターター級(& スナップ率が高い)の選手は個人評価も入れています.ポジションの評価に関してはスタッツメインかつ控えの選手の評価も考慮するので,個人の評価の平均となっていないことに注意してください.

 評価方法は単純に5点刻み100点満点で採点し,90点以上でS,80点以上でA,70点以上でB,60点以上はCでここまでが合格ライン,59点以下は不合格でFとします.点数の横の括弧は昨年との比較.採点はあくまで"NFLの平均"を基準として行なっていますので,例えファルコンズの中でマシな方でも点数は低いことが多々あります.

 スタッツはPro Football reference,ESPNからとってきています.D#に関しては,両サイトで若干数値の違いがあるので,ESPN参照のシーズン成績を載せています.手入力なので間違いがあるかもしれませんがご了承ください.

 

オフェンス

得点/G:21.5(15位)

トータルYds/G:318.6(24位)

パスYds/G:158.8(31位)

ランYds/G:159.9(3位)

QB

30点 F (-10)

#1 マーカス・マリオタ 30点 F

 開幕からBye Weekまで13試合に先発.一時期は週間MVPを受賞して地区首位になったこともありましたが,彼自身のパフォーマンス自体は落第点.ランのスタッツを見ればわかるようにモビリティを活かす場面は多く見られたものの,肝心のパサーとしての能力が低すぎました.ただ,ブリッジQBであることを考えればこんなものかなという感じ.

#4 デズモンド・リダー 55点 F

 2022年の3巡ルーキー.シーズン前半から「リダー出せ」の声が多かったですが,結局4試合のみの先発ということになりました.スタッツ自体は試合を追うごとに改善されていきましたが,最初の3試合は0TD/0INT,最後の試合もバッカニアーズD#が主力を温存していたことには留意しておきたいところ.しかし,4th Downや3rd & longでクラッチなパスを通す場面が随所に見られたのは高評価です.また,武器である脚はマリオタの怪我で控えが実質いない状態だったのであまり使われませんでした.

 凄く良い4試合だった訳ではありませんが,「試合毎に内容が良くなっていったこと」「重要な局面でのパスを通せたこと」の2点はとりあえず来年の先発を任せられるくらいの要素にはなるでしょう.来年はキャップ地獄からの解放で今年より戦力が充実しているはずなので,そこで結果を出せるかが勝負だと思います.(最低勝ち越しかなあ)

 

WR

45点 F (+5) 

#5 ドレイク・ロンドン 75点 B

 2022年の1巡全体8位.フィジカルの強さとキャッチ力が高く今年に関してはロンドン抜きのパスO#は考えられませんでした.ルーキーのレシーブ数のフランチャイズ記録も更新し,PFFグレードではルーキーWRとして最高評価でした.

 ちなみにマリオタ先発時は試合平均6.2Tgts 41Ydsだったのに対し,リダー先発の4試合は試合平均9Tgts 83.3Ydsとスタッツに明確に違いが出ています.ピッツ離脱によるしわ寄せの影響が大きいですが,そのような状況で数字を残せたことは来年に期待が持てると思います.来シーズンはパサーの成長次第ですが,プロボウル以上を狙えるでしょう.

#17 オラミデ・ザキーエス 60点 C

 後述のエドワーズが全く使い物にならなかったおかげでWR2としてキャリアハイの成績を残しました.特にマリオタとの相性が抜群に良く,プレーが崩れたときのメインターゲットになっていました.しかし,リダーが先発になってからは存在感が消失.試合平均で比較すると,マリオタ先発時で3.4Tgts 2.5Rec 36.Ydsに対し,リダー先発時は4.3Tgts 2Rec 13.8Ydsとロンドンとは対照的にスタッツが悪化.今年FAですが来年どうなっているのかは正直想像がつきません.WR2としては厳しそうです.

#89 ブライアン・エドワーズ 0点 F

 誰?

 

その他

 単年FA組の"#14 デミアー・バード"はWeek7-8で活躍し,ディープスレットとして一瞬期待されましたが,そこからは下降線."#12 カダレル・ホッジ"もWeek1-2で38Yds→57Ydsと見せ場を作りましたが,シーズン通しての活躍はできませんでした.

 

RB

90点 S (+50)

 開幕前は今シーズンも例年通りランO#は苦戦すると思っていましたが,2020年から比較してラン獲得Ydsは95.8(27位)→85.4(31位)→159.9(3位),平均Ydsは3.7Yds(31位)→3.7Yds(30位)→4.9Yds(4位)と衝撃的なジャンプアップ.

 

#25 タイラー・アルジアー 85点 A

 5巡ルーキー.ファルコンズに待望のエースRB登場です.ファルコンズとして1,000Ydsラッシャーは2016年のフリーマン以来,ルーキーとしては1979年のウィリアム・アンドリュース以来で彼の持つルーキーのラン獲得Ydsのフランチャイズ記録も更新しました.ちなみにPFFグレードはルーキーRBで1位です.タイプとしてはブラウンズのニック・チャブに近いと思っています.

 シーズン序盤はパターソン,ハントリーとバランスよく併用される形(7試合 324Yds, 平均3.86Yds)でしたが,中盤からパターソンやハントリーの怪我などもありRB1としての起用が増え,内容も次第に良くなっていきました(9試合 711Yds, 平均5.64Yds).カレッジ時代からの強みである「Yards after contact」も遺憾無く発揮しました. 

 (ちなみに名前の呼びはカタカナだとアルジーア(ー)が一番近いです.当ブログでは最初に見たカレッジ時代の実況からそのままアルジアー呼びを続けていますが,とりあえず"ジ"にアクセントをおけばアルジアでもアルジーアでもアルジアーでもアルジーアーでもOKだと思います.決してオールゲイエではありません.)

#84 コーダレル・パターソン 80点 A (-5)

 オフェンシブウェポンとして活躍した昨シーズンとは異なり,今年はほぼRBに専念.31歳ということもあり,衰えによって数字は落ちると予想していましたが,ランのスタッツは「16試合 618Yds 平均4.0Yds 6TD」→「13試合 695Yds 平均4.8Yds 8TD」と3試合少ないながらほぼ全てでキャリアハイを更新.しっかりTDに絡んでいるのも流石.また,リターナーとしてもNFL歴代1位となる通算9度目のキックオフリターンTDも記録.ベテランとはいえ来シーズン以降もまだまだ一線級の活躍が期待できそうです.

#42 ケイレブ・ハントリー 70点 B

 2021年のUDFA.デミアン・ウィリアムスの怪我によりWeek2からロースターに昇格しました.パワーラン系で倒れ方が上手く,3番手としては十分すぎる内容だったと思います.シーズン中盤までは上の2人と併用され特にWeek8では16carry 91Ydsという活躍も見せましたが,終盤から出番が減り,最終的にはWeek15でアキレス腱断裂でシーズンアウト.アキレス腱の場合は通常復帰まで9-12ヶ月かかるみたいなので来年の開幕は怪しそうです.

#6 デミアン・ウィリアムス 0点 F

 誰?

 

TE

65点 C (-10)

#8 カイル・ピッツ 60点 C (-20)

 昨シーズンはルーキーながらチームトップの1,026Ydsレシーブを記録し,さらなる飛躍が期待された2年目でしたが,シーズン通して大暴れする試合はなく,Week11でMCLを断裂しシーズンエンド.1年目から成績を大きく落とし不本意な2年となりました.

 しかし,今年に関してはピッツが気の毒に思えるレベルでマリオタが酷すぎました.下のツイートのビデオだけで320Yds以上のパスがオーバースローになっているようで,RACを考慮するとそれ以上損しているということになります.これを考慮すれば17試合換算で1,000Ydsペースだったので本当に気の毒です.

 ピッツ自体が悪い訳では決してないので,来年はリダーがしっかりパスをヒットさせることを祈ります.

#46 パーカー・ヘッシー 60点 C

 まさに縁の下の力持ち.昨シーズンまではプロでの実績ほぼ無しの状態で,今シーズンのTE2だったので懸念要素ではありましたが,(ほぼ)ブロッキング専門で全試合に出場し,リーグ3位のランO#を支えました.レシービングの方は物足りないですが,ランヘビーなチームにしていくならこれでも良いかなと思います.プルイットもいるし.

#85 マイコール・プルイット 65点 B

 10月にアクティブロースターに昇格.アーサー・スミスHCのテネシーコネクション.プロ8年目,経験豊富なブロッキングTEでヘッシーとは異なりエンドゾーンでのパスターゲットとして使えます.今シーズンも16レシーブに対して4TDと渋すぎる活躍.今年でFAですが,そこまで給料も高くならなさそうですし,再契約しても良いのではないかと思っています.

 

OL

80点 A (+50)

 RBと並んで昨シーズンから劇的に改善.PFF評もランブロックが1位,パスプロが8位とリーグ屈指のユニットに成長.

#70 LT ジェイク・マシューズ 75点 B (+10)

 気づけばはチーム1の古株&高級取りに.オールプロ級のラインマンではありませんが,怪我なく安定したパフォーマンスを続けてくれるのは有難いです.キャリアでの欠場がルーキーイヤーの1試合のみというのは立派.現段階で後釜を用意する必要もなさそうです.ただ,来年のキャップヒットが28Mとちょっとお高いのでオフのリストラクチャ候補.

#68 LG イライジャ・ウィルキンソン 55点 F 

 開幕スターターとして9試合に先発.シーズン中盤から終盤にかけて故障が目立ったことと,Week17-18で先発したヘネシーが良かったこともあり,来年も先発である可能性は低いでしょう.オフにFAですが,選手としてはド平均なので再契約するべきかは微妙なところ.

#61 LG マット・ヘネシー 70点 B

 2020年の3巡.昨シーズンはCとして全試合に先発するも,開幕前にダルマンとの先発争いに敗れて控えに.ウィルキンソンの故障を受けてLGとして先発したWeek9, 17, 18では上々のパフォーマンス.個人的には現段階での来年のLGはヘネシーで良いと思ってます.

#61 C ドリュー・ダルマン 65点 C

 2021年の3巡.スナップに安定感がないのは終始気になっていましたが,先発1年目としてはまずまずの出来.来シーズンはユニット内で一番多かったペナルティを減らしたい.

#63 RG クリス・リンドストロム 95点 S (+10)

 2019年の1巡.初のプロボウル&オールプロ2nd選出と飛躍の1年に.PFFグレードも衝撃の全選手中トップ.正直所属チームがファルコンズでなければ余裕でオールプロ1stだったと思います.パスプロも勿論ですが,ランブロックが圧倒的で,RTマクゲイリーとの右サイドはファルコンズO#最大のストロングポイントになりました.

#76 RT カレブ・マクゲイリー 85点 A (+55)

 2019年の1巡.ルーキー契約最終年で才能開花.昨シーズンから最も成長した選手と言っても過言ではありません.1年目から相手のパスラッシャーに苦戦し続ける様子を見てきたので,今シーズンT.Jワットなどを封じ込めている様子には感動しました.5年目オプションを行使していないため,オフにFAとなりますが最優先で契約延長したいところ.サラリーがどこまで高くなるか恐ろしいですが.

 

まとめ

昨シーズンとのポジションごとの評価を比較すると,

QB:40点 → 30点 (-10)

WR:40点 → 45点 (+5)

RB:40点 → 90点 (+50)

TE:75点 → 65点 (-10)

OL:30点 → 80点(+50)

となり,全体としては昨シーズンより改善したと言えると思います.QBとTEのマイナスはほとんどがマリオタが原因です.来年はQBリダーの成長次第ですが,RBアルジアー,WRロンドン,TEピッツに加えてリーグ上位のOLと楽しみな要素が多いO#になると思います.現段階でのオフシーズンの優先事項は

・RTマクゲイリーとの再契約

・WRの補強(ドラフト1人+FA)

・マリオタカット(12M確保)→バックアップQBの獲得

あたりでしょう.ちなみにSpotracではマクゲイリーのマーケットバリューが17.7Mなので20Mまでは見ておきたいです.キャップスペースに余裕があるとはいえ,D#に投資しなければならないので,特にWRなどはドラフト中位での指名も視野に入れたいですね.

 

 次回はD#編です.かなり闇が深いので暗い内容の記事になると思います.