自己満足の殿堂

NO FALCONS, NO LIFE

【NFL】2018シーズンのマット・ライアンを振り返る

 あけましておめでとうございます,マヨラナです.今年もマイペースに記事を書いていく予定なのでよろしくお願いします.

 そして,レギュラーシーズンお疲れ様でした......

 今シーズンのファルコンズはというと7勝9敗というなんともまあ微妙な成績.D#には怪我人が続出し,O#も機能したりしなかったりで終始不安定なシーズンでしたが,その中で安定したパフォーマンス見せた選手の一人がそう,

QB マット・ライアン

です!!!

 そこで,今回は2018シーズンのライアンを振り返っていきたいと思います.

個人成績,記録

 まずは個人スタッツから

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16試合()はNFL順位

 Yds: 4,924 (3

 Comp%: 69.4 (3)

 Yds/A: 8.1 (6)*

 TDs: 35 (3)

 INTs: (4) *

 Rating: 108.1 (4)

*15試合以上出場した選手が対象

 MVPを受賞した2016年に次ぐキャリアで2番目に良い成績.

 次は個人記録.代表的なものを挙げておきます.

-最初の11シーズンでのパッシングヤード歴代1位: 46,720

-レギュラーシーズン通算100勝

-レギュラーシーズンで4,000+Yds, 30+TDs, 1桁INTで負け越した史上初めてのQB

-レギュラーシーズンの敗戦QBで史上最高のレーティング: 148.1

-レギュラーシーズンの負け越したQBで史上最高のレーティング: 108.1

最後の2つは私調べです.間違いがあったらごめんなさい.

 そして,

プロボウル,選出されず......!!!

  アーロン・ロジャースとの人気の差を改めて実感しました.それでも代替選手で流石に選出されるとは思いますが.期待しておきましょう.

 ちなみに3ラッシングTDはキャリアハイ. 

各週振り返り

 ファルコンズの振り返りも兼ねて各週ごとにさっくりまとめていきたいと思います.

Week1@PHI 12-18:「”察し”な開幕」 

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251Yds (Avg5.8), 48.8%(21/43), 0TD, 1INT, Rate57.4, 4sck

 サークO#への不安と相手QBウエンツの不在による若干の期待が入り混じる開幕戦.結果的にライアンにとってはシーズンワーストのパフォーマンスになりました.この日は昨シーズンからの課題であったレッドゾーンO#での弱さが露呈.エースWRのフリオ・ジョーンズもヤードは稼ぎながらもレッドゾーンではキャッチできず.昨シーズンのディビジョナルと同様の形での敗戦.

 そしてTwitterでもいじられまくりの始末.プライムタイムでのゲームに限ってこういうパフォーマンスになってしまったのは非常に残念でした.

 

Week2 CAR W 31-24:「ライアン,意地の2ラッシングTD」

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272Yds (Avg9.7), 82.1%(23/28), 2TDs, 1INT, Rate116.1, 2RushTDs, 0sck
 ホーム開幕戦は良い意味でファルコンズファンの期待を裏切る結果に.急にレッドゾーンでTDを取れるようになり,ドラ1ルーキーWRのリドリーもキャリア初のTD.多分地球上の全ファルコンズファンが「なぜ開幕戦でリドリーを使わなかったし」と感じたはず.ライアンはこの日は2のラッシングTDを記録.スッとパスが通る感覚は2016年を想起させるものでした. 

  ちなみにOLはサック0を記録しましたが,OLが頑張ったのはこの日が最後.

 

Week3 NO L 37-43:「ライアン大暴れ!!!なお」 

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 374Yds (Avg10.7), 74.3%(26/35), 5TDs, 0INT, Rate148.1, 3sck

 私が現地で観戦した試合.ライアンはキャリア最多となる5TDパスを記録.レッドゾーンでの得点力は前の週から継続,さらに今週は昨年は滅多にお目にかかれなかったロングパスも通り,さらにさらに2ptコンバージョンを2回成功させるなどO#が大爆発.ただ試合はD#が崩壊しOTの末敗戦.

 詳細なレビューは下の記事をどうぞ.

majoranafalcon.hatenablog.com

 そして,この試合がまさにライアンがレギュラーシーズンの敗戦QBで史上最高のレーティングを記録したゲーム.結果的にこの試合がシーズンを左右したんじゃないかと思っています.

 

Week4 CIN L 36-37:「珍記録誕生」

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419Yds (Avg10.7), 74.3%(29/39), 3TDs, 0INT, Rate134.5, 3sck
 先週に続き,凄まじいパフォーマンスを見せたものの惜敗.こうなるとどうすれば勝てるのかわからなくなるレベル.ライアンはジョーンズ,サヌー,リドリーを中心にパスを投げ分け, シーズン最多となる419ヤードを獲得.

 そしてライアンは350ヤード以上投げて,3TD+,0INTで連敗した史上初のQBに. 

  

Week5 @PIT L 17-41:「ファルコンズ,久しぶりのフルボッコ

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285Yds (Avg7.5), 68.4%, 1TD, 0INT, Rate99.1, 6sck
 この日はOLがPITのプレッシャーを抑えられず,6sckと崩壊. 3Qまで3点差で食らいついてはいたものの,パントミス,ファンブルリカバーTDで差を広げられ圧敗.ライアンのスタッツ自体は昨シーズンよく見た並びという感じ.プレッシャーがかかりまくる状況で3Qまではゲームを作れていたと思います.ただ,4Qでのファンブルロストはちょっといただけませんが.

 

Week6 TB W 34-29:「1勝の難しさを悟るゲーム」 

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355Yds (Avg8.7), 75.6%(31/41), 3TDs0INT, Rate125.6, 1sck

 ホームに戻り,再びライアンのパフォーマンスが復活.パス偏重O#で,この日は特にジョーンズとTEフーパーが活躍.しかし,明らかにうちのペースで進んでいるものの,ゲームを決められないという苦しい展開でした.最後もギリギリまで攻め込まれ,相手のラテラルパスのドロップでやっとこさ勝利.

 

Week7 NYG W 23-20:「個人的には結構好きな試合」

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379Yds (Avg9.7), 79.5%(31/39), 1TD, 0INT, Rate115.7, 3sck

 ライアンだけのパフォーマンスに注目するなら結構好きなゲーム.TDパスは1本だけですが,それ以外の重要な場面でパスをしっかり通し,相手D#にダメージを与えました.点差は3点ですが,勝てるQBのクォーターバッキングだったと思います.あと,プライムタイムのゲームで勝てて良かった......

 

Week9 @WAS W 38-14:「ホットライン,完全開通」

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350Yds (Avg9.2), 68.4%(26/38), 4TDs, 1INT, Rate121.6, 2sck 

 この試合でもライアン3rdダウンから10+ヤードのパスを連発,素晴らしいパフォーマンスを見せました.さらに,ランも割と出たことでO#の得点効率がグッとよくなりました.また,D#もよく頑張り,今シーズンで一番安心してみていられるゲームでした.ここまでTDレシーブがなかったジョーンズにもついにタッチダウンが飛び出し,3連勝で勝率も5割復帰.

 

Week10 @CLE L 16-28:「ライアン激おこ」

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330Yds (Avg6.3), 73.1%(38/52), 2TDs, 0INT, Rate102.2, 2sck

 負け試合に投げまくった時の典型的なスタッツ.先週までの得点力は完全に影を潜め,昨シーズンの歯車の噛み合わないO#が戻ってきてしまったという印象です.4th&Goalも止められ,終了間際のライアンは激おこ.勝てばPO戦線に復帰できる超重要な試合で,このような不甲斐ない結果に終わってしまったのは非常に残念でした.

 

Week11 DAL L 19-22:「掴みきれないモメンタム」 

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291Yds (Avg8.6), 70.6%(24/34), 1TD, 1INT, Rate94.1, 3sck
 この日のスタッツも昨シーズンよく見た並び.ライアンはスコアリングD#トップ3のチームとの戦績が2011年Week4以降1勝11敗と非常に悪く,今回も苦手を克服できず.ただ,惜しいゲームであることは確かで,終盤でジョーンズのTDで同点に追いついたまでは良かったのですが,一気にこちらの流れに!というところであっさりFGを決められて負けるという...... 

 

Week12 @NO L 17-31:「ATL,秋のファンブル祭り」

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377Yds (Avg8.0), 74.5%(35/47), 2TDs, 1INT, Rate102.9, 6sck

 この日はO#の悪いところが凝縮されたような試合.OL崩壊,敵陣での3度のファンブル,うち2回はレッドゾーン内.さらにライアンも2ポゼッション差,まだチャンスのある場面でインターセプトされるなどとにかく散々な内容.それでも,ヤードだけは稼ぐ典型的な敗戦スタッツ.

 

Week13 BAL L 16-26:「無」

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131Yds (Avg5.0), 61.5%(16/26), 1TD, 0INT, Rate87.2, 3sck
  この日は鉄壁レイヴンズD#に何もできずという試合でした.TDも1つはD#のファンブルリカバーなので実質O#は9得点.4Qにはライアンがサック受けファンブルロストからそのままTDされ,試合を終わらせてしまう始末.DAL戦同様,D#の強力なチーム相手に序盤まあまあいい勝負をしながら勝てないのは本当に痛い.

 

Week14 @GB L 20-34:「断ち切れない負の連鎖」

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262Yds (Avg6.2), 66.7%(28/42), 3TDs, 1INT, Rate97.5, 2sck

 ここ最近相性の良いGB戦でしたが,この日は普通に自爆でした.直前にHCを解任した相手に,最初のドライブこそ良かったものの,ライアンの謎のファンブルをきっかけに攻守共に崩壊.チーム状態が悪いと,こういった普段なら起こりえないミスが起こるんだなと.

 

Week15 ARI W 40-14:「ある意味重要な一戦」

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231Yds (Avg6.4), 61.1%(22/36), 2TDs, 0INT, Rate98.3, 1RushTD, 2sck

 3勝10敗と4勝9敗の対決というまさにドラフト上位指名をかけたゲームになりました.結果はサークO#初の40得点で大勝しましたが,ライアンのパフォーマンス自体は普通.ランとD#で勝ったゲームです.ちなみにこれでライアンはRS通算100勝.おめでとう!

 

Week16 @CAR W 24-10:「冷めきった同地区戦」

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239Yds (Avg9.2), 57.7%(15/26), 3TDs, 0INT, Rate126.9, 1sck

 本来ならば熱戦必至の同地区戦なのですが,相手はニュートンが肩の状態を考慮して欠場.レッドゾーン付近でのファンブルを除けば割と良いパフォーマンス.後半の最初のプレーでは久しぶりにビッグプレーが飛び出したのも好材料.ただ,試合はものすごくつまらなかった.

 

Week17 @TB W 34-32:「ファルコンスペシャル発動」

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378Yds (Avg8.6), 70.5%(31/44), 2TDs, 1INT, 1TDReceive, 1sck

 TB,もとい蟹泥棒は絶対に負けたくない相手.前半はこっちのO#がほとんど機能せず,完全にTBペース.しかし,後半最初のドライブでまさかのライアン,キャリア初のTDレシーブ.(結構ギリギリでしたが)ここからお互い点を取り合い最後は久しぶりの逆転ドライブ勝ち.

 

 と,1勝1敗から3連敗→3連勝→5連敗→3連勝という山あり谷ありなシーズンでしたが,ライアンにのみフォーカスすれば,割と頑張った方なのではないかという感じです.

 

 気になるのはフリオ・ジョーンズ.開幕7試合でTDレシーブなし,残りの9試合で8TDレシーブと後半一気にTDを稼ぎましたが,これはO#の状態と反比例しています.ジョーンズのTDでチームが盛り上がるのは事実ですが,苦しい場面でジョーンズ依存になる傾向は否めません.ここから脱却するにはWRリドリーにシーズン序盤のような働きを1年中続けてもらうことがキーだと思っています.彼はクラッチWRの素質があると信じているので来年以降の飛躍に期待です.

 

まとめ

-良かったところ

1. レッドゾーンでの勝負強さ   

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 昨シーズンのO#最大の課題だった「レッドゾーンでの得点力」は今年は序盤は好調.特に,ドラ1WRリドリーはカバーを外す動きが非常に上手く,レッドゾーンでのライアンの新しいターゲットとなりました.

 ただ,WRの層は増したものの,エースRBフリーマンの故障でランO#が瀕死状態に.前半はパス偏重O#でなんとかなっていたのですが,中〜後半にかけてはうまく機能せず.

 

2. プレッシャーへの対応

 繰り返しになりますが,今シーズンはOLが脆く,相手D#のプレッシャーが厳しい場面が多く見られました.しかし,今シーズンのライアンはプレッシャーがかかった場面,そしてポケット外でのレーティングはNFLトップクラス.モビリティはないものの,しっかりとゲームを作ったのは流石です.

 

3. 今年も健康 !

 今シーズンもしっかり全試合出場したことはファンにとっては本当にありがたいことです.若いQBの故障が多い最近では,試合に出ること自体が良いQBの重要なパラメータの1つです.このままキャリアを終えるまでずっと健康でいてください......

 

4. スタッツを上げる敗戦処理

 今シーズンは負けが込んだこともあり,試合終盤でパスヤード,TDを稼ぐ場面が多く見られました.ん?これって良かったところなのか...?

 

-良くなかったところ

このスタッツで負け越したこと!!!

 ぶっちゃけこれに尽きると思います.スタッツ自体は文句のつけようがないので.

 やはりどれだけ良い成績を残しても負けてしまっては意味がないのがNFL,もといQBというもの.

 当然,ライアンだけの責任ではありませんし,シャナハン時代は同じようなスタッツでスーパーまで行っているわけですから.それでも,こう,「2ミニッツのライアンは怖い」「ライアンならやってくれる」と思わせるような雰囲気がもっと欲しいところ......

 あと,強いて言うならD#の強い相手にもう一矢報いて欲しかったです.今シーズンのDAL戦もBAL戦も内容は良くありませんでしたが,勝てるチャンスはありました.D#の弱いチームとの打ち合いを制すより,こういうチームに勝つほうが絶対に自信に繋がるはずです.

 

-来シーズンへの期待

 スーパーボウルまでは行けなくとも,せめて内容の良いゲームをしっかり取れるようにしたいというのが一番です.個人的には思い切って改革(再建ではない)に踏み切ってもいいのではと思っていたところで......

バイバイ,サーク,マニュエル,アームストロング

来ましたね.サークとアームストロングは納得.流石に来年劇的に良くなることはないでしょうからね.マニュエルはどっちでもいいかなという感じです.

 ランO#,OL, DL,CB等課題は山積みですが,長い目で見たいと思います.そして,数年後にはベテランとなり洗練されたライアンがブリーズのいないNFC南を引っ張っていく未来が実現することを願っています.