自己満足の殿堂

NO FALCONS, NO LIFE

【MattyIce通信2020】シーズンまとめ

 今回は2020シーズンのマット・ライアンを振り返っていきます.

 去年の振り返りはこちらからどうぞ.

majoranafalcon.hatenablog.com

 

2020シーズンのスタッツ

主要スタッツ

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*()はリーグ内順位(INTは多い方が順位高)

 試合数は去年より1試合多いですが,成功数とヤードは上位の一方でTDやレーティングは凡というスタッツの傾向はほぼ変わりませんでした.しかし,今年はQBのスタッツ自体が全体的に向上しているため,数字自体は大きな変化はないものの,リーグ内順位は落ちています.今年に関してはフリオが9試合しか出場していないこともありますが,去年より成績は若干悪化しているといった感じでしょうか.しかし,これはライアン自身の調子もありますが,O#自体に変化がない,即ちランO#,パスプロテクションといった去年からの課題が改善されなかったと見ることもできます.

 

 シーズン単位では安定感があるかもしれないが,試合単位でのパフォーマンスを見ると,過去2年かなり波があります.

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2019-20年の試合毎のレーティング

 区画毎のレーティングは下のようになっています.

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全体的にシーズン見てきた中でのイメージとのギャップは少ないです.まず,10-20Ydsの左と中央,20+Ydsの右側のレーティングが平均よりだいぶ高いのは恐らくリドリーの得意なルートと相関がありそうです.一番上の区画のカバー範囲が広いので一概には言えませんが,ほとんど成功した印象のないディープパスは左側と中央で平均以下です.また,スクリメージラインより手前のパスが昨シーズンと比較してもだいぶ悪いのはYAC(Yards After Catch)が出ないことが影響してそうです.実際,今年はYAC/Comp(4.1)がリーグ31位,Air Yards(2,913)が1位,YAC(1,413)で最下位と顕著です.初めはフリオの不在が原因かなと思ったのですが,昨年もYAC/Comp(4.0)が32位で最下位とO#全体の問題のようです.

 

 また,今シーズンのファルコンズO#の大きな課題としてレッドゾーンO#がありました.レッドゾーンTD%は53.45%で26位,1位のパッカーズとは25%近い差があります.ただ,実は去年の51.67%(25位)とほぼ変わっていないことからライアンの調子が特別悪かったというよりそもそもコエッターのプレーコールに問題があると思います.スタッツを見ると,レッドゾーン内でのアテンプトは多いですが成功率がかなり低いです.さらに,Week12の時点ではレッドゾーン内での被サックがリーグトップでした.

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 QBを何で評価するかというのは人によって意見が分かれるところだと思いますが,一応参考程度にTotal QBRとPFF overallグレードを見ておきます.まず,ESPNが提供しているTotal QBRはパス,ラン,ターンオーバー,サックなどのQBが関与するプレーの試合への貢献度をシチュエーションを踏まえた上でefficiencyとして評価した指標(という認識)です.詳しい説明はwikiをご覧ください.指標としての賛否はあるようですが,私としてはフリーで手に入るという点が非常に有難いです.平均は50前後で75前後でプロボウル級という基準だそうですが,今年のライアンは67.0でリーグ16位でした(昨年は59.6で14位).先ほども述べた通り,今年は全体的にQBのスタッツが優れているようです.ちなみに,MVPをとった16年(83.3)と同様の成績ながら7勝に終わった18年(65.7)では,ガベージタイムに補正がかかる分差が出るというわけですね. 

 

 PFFグレードも試合背景を考慮した上でプレーを加点減点していく方式の指標ということですが,フリーではoverall グレードのみアクセス可能です.今年は83.1で11位/40人ということで,昨年の76.0(16位/37人)からは良くなっているようです.

 

 その他Twitterで見かけた気になる数字をまとめます. 

 

 

 

 

 

2020シーズンに達成した主な個人記録

  • Week1 通算パス獲得ヤードがジョン・エルウェイ(51,475Yds)を抜いて史上9位に

次の目標はイーライ・マニングの57,023Ydsです.来シーズン中には到達できるでしょう.

  • Week6 4年ぶりの週間MVP

 開幕5連敗→GM&HC解雇,さらにライアン絶不調という中で最高のパフォーマンス.この頃は健在だったフリオとのホットラインはやはり最高でした.

  • Week8 史上5人目のパス50,000+Yds,ラン1,000+Yds,ラッシングTD10+
  • Week9 キャリア13シーズンでのパス成功数がペイトン・マニング(4,682)を抜いて歴代1位
  • Week14 キャリア13シーズンでのパス獲得ヤードがペイトン・マニング(54,622)を抜いて歴代1位
  • Week15 通算TDパスがフラン・ターケントン(342)を抜いて歴代10位に
  • Week15 10年連続シーズンパス4,000Yds

NFL記録はブリーズの12シーズン.怪我がなければかなり現実的.

  • Week17 キャリア13年でのパスTDがブレット・ファーブ(346)を抜いて歴代4位に
  • Week17 通算7度目のシーズンパス4,500Yds

NFL記録はブリーズの通算8度.この記録は結構凄い.

 

 

ライアンのファルコンズでの未来は?

 上では,客観的なスタッツを中心に述べてきましたが,ここでは実際のところどういう印象だったかという完全に主観でのお話です.

 

 まず,平均より上くらいのスタッツに関しては,それ自体を問題視する必要はそこまでないと思っています(特にレーティングなどに関してはパスに頼らざるを得ない状況になるとアテンプトが増えるため,数値が伸びにくい).むしろ今シーズンは,というより今シーズンもリーグワーストのランO#,平均以下のパスプロ,絶対的エースWR不在の中でO#がなんとか形になったのはライアンの"パサー"としての能力の高さのおかげだと思っています.ボールを持ちすぎてサックを受ける場面が多かったのは良くなかった点ですが,同時にプレーが崩れたときのアウトサイドポケットからのパスやスクランブルの判断は良かったと思います.

 

 恐らく,ここまでは多くのファルコンズファンが同じような意見を持っている思っています.問題はここからで,4勝しかできなかった原因にライアンはどれだけのウェイトを占めているかという点.ここに関しては,チームがどの方向性で進んで欲しいかでかなり意見が分かれると思います.実際,ドラフト4位指名権というQB指名には絶好のポジションにいる,ファルコンズのQB以外のニーズで4位指名にふさわしい選手の不在というのもこの問題を難しくしている原因の一つです.超絶ライアン贔屓の私としては,勿論ライアンのクラッチ次第では勝てたゲームはあるが,それ以前に改善するところがあるという意見です.まずは,D#とランをリーグ平均レベルまで引き上げるところから初めて,それでも勝てないならライアンを変えるべきだと考えています.

 サラリーの関係で,来年のスターターはライアンだと思いますが,それをライアンで勝ちに行くシーズンにするのか,QB交代に備えるためのシーズンにするのかはドラフトで明らかになるでしょう.

 

新HC決定

 ライアンの将来にとって一番重要なのが来季の首脳陣.レギュラーシーズン終了後から様々なコーチとのインタビューが行われてきましたが,1月16日にHCがついに決定.

 来年からファルコンズの指揮を取るのは今年タイタンズのOCを努めたアーサー・スミスとなりました!

実はダン・クイン解任後,アーサー・スミスとかやってくれないかなあと密かに思っていたのでまさかという感じです.理由は非常にシンプル,レッドゾーンO#の強さです.タイタンズでOCを務めた2年間で19年はレッドゾーンTD%が77.36%でリーグ1位,20年は74.24%で2位と素晴らしい数字.さらにこの2年間でのO#のTD数は(プレーオフ含めて)120でリーグ1位.また,スミスの下でRBデリク・ヘンリー,QBライアン・タネヒル,WR A.J.ブラウン,コーリー・デービスらがキャリアイヤーを送りました.

私がスミスのO#に期待するのは安定したランと効率的なパスそして高いTD%.RB1はドラフトで上位指名するとして,優秀なパサーと素晴らしいレシーバーはすでに揃っています.16年とまでは言わずともファンとなるきっかけとなったハイパーO#の復活に期待したいです.頼むぞ!!!

 

 そして,D#にも朗報が.ベテランDCのディーン・ピーズがスミス体制に何らかの形で関わる可能性があるとのこと.ピーズはペイトリオッツ時代にはLBコートとして,レイブンズ時代にはDCとしてスーパーボウル制覇に貢献.18-19シーズンの2年間はタイタンズでDCを務めましたが,昨シーズン終了時点で引退していたようです.

ファルコンズD#はドラフトでしか補強の機会がない分,現状いる選手のステップアップが不可欠です.その中で,実績のあるコーチを呼ぶことができれば願ったり叶ったりです.

 

 そして,GMに関してですが,セインツの人事VP/アシスタントGMテリー・フォンテノになりそうとのこと.セインツのシーズンが終了するまではな契約はできないとのことだったので,もうすぐ発表があると思います.ただ,決まること自体は嬉しいのですが,それによってセインツが複数年にわたって補填ピックを獲得するのは解せません.

 

2021シーズンへ向けて

 GM&HC探しも一段落しそうということで,ここからの関心事はFAとドラフトになります.前者に関しては補強というより誰を引き止めるのかという話が中心です.後者は何より全体4位の使い道でライアンの将来がほぼ決まると言っても過言ではないので,落ち着かない日々はまだしばらく続きそうですw チーム状況は良くありませんが,今は上がり目しかないので前向きにオフを楽しめたらなと思っています.

 

 という感じで2020シーズンの定期更新はこれで終了となります.大して内容もなく拙い文章の記事ばかりだとは思いますが,ここまで読んでいただき本当にありがとうございました.来年は忙しくなるので,記事のボリュームは落ちると思いますが,できる限り毎週更新するつもりなのでまたよろしくお願いします.

【通信簿2020】今シーズンのファルコンズを振り返る

 レギュラーシーズンも終了ということで,今回はシーズンを通しての選手評価をしていこうと思います.前半戦(Bye前のWeek9まで)の通信簿はこちらからどうぞ

majoranafalcon.hatenablog.com

 こういう評価系の記事は今年からなのですが,私がやるとかなり厳しくなってしまうということがわかりました.まあ,成績が成績だししょうがないか......

 

 評価はポジションごとに加え,主力選手は個人評価も入れていこうと思います.ポジションの評価に関してはスタッツメインかつ控えの選手の評価も考慮するので,個人の評価の平均となっていないことに注意してください.

 評価方法は単純に5点刻み100点満点で採点し,90点以上でS,80点以上でA,70点以上でB,60点以上はCでここまでが合格ライン,59点以下は不合格でFとします.

 

 スタッツはPro Football reference,ESPNからとってきています.D#に関しては,両サイトで若干数値の違いがあるので,ESPN参照のシーズン成績を載せています.

 

オフェンス

QB

50点 F (-15) 

 マット・ライアン 50点 F (-15) 

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 細かい評価等は後日「MattyIce通信」の方でまとめる予定です.
 前半戦はD#の崩壊により,ライアンの力ではどうにもできない敗戦が何試合かありましたが,後半はNO,@LAC,TB,@KCなどライアンが頑張れば勝てたかもしれない試合が多くあったので点数を下げました.

 スタッツも後半は悪く,特にWeek11-14までは成功率55.1%, 4TD, 6INT, Rate 66.0, YPA6.6と乱調.

 PFFグレードはWeek9→Week17で83.5(8位)→83.1(11位),QBRは78.7(7位)→66.8(16位)と下がっています.

 

WR

80点 A (-5) 

フリオ・ジョーンズ 75点 B (-10) 

カルビン・リドリー 80点 (-5) 

ラッセル・ゲイジ 80点 (+5)

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 フリオは後半戦はハムストリングの怪我でほとんど出れていないのでダウン.

 その代わりにメインターゲットとなったリドリーは100Ydsゲーム数,20+Ydsのレシーブ数はリーグ1位Tではありますが,TDが前半に比べて減った,キャッチ率が低い等,物足りない部分は感じています.

 それでもなんだかんだ2nd Team All-Proに選出.まだまだ伸びます.

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  3人の中で唯一評価を上げたのは後半はWR2のゲイジ.こちらはリ後半のリドリー以上に勝負強さが光る場面が多く,(パス)O#が苦しい中でなんとか持ち堪えることができたのは彼の貢献が大きいと思います.

 

RB/FB

40点 F (-20)

トッド・ガーリー 40点 (-25)

ブライアン・ヒル 45点 F

イトー・スミス 60点 C

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 ガーリーはシーズン序盤こそ1000Ydsペースだったものの,後半は失速し,スナップ数も激減.シーズン終盤からはRB1→RB2に降格ファルコンズの得点力向上への貢献が期待されましたが,来季の契約延長はまずないでしょう.

 ヒルはスタッツはそこそこに見えますが,これはWeek17の62Ydsランのおかげであり,ガーリーと同じく不合格.

 後半戦唯一及第点のパフォーマンスを見せたのはイトー・スミス.最終的にRB1となりましたが,当ブログでも述べているように1番手としては明らかに物足りない.2番手としては平均以上くらいというところでしょうか.

 一応レシービングの方も載せておきます.レシーブに関しては去年のフリーマンの方が圧倒的に貢献度は高いです.ファルコンズにはレシーブのできるタイプのRBの方が合うと思うので,ドラフトに期待したいところ.

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 あまり気にしていませんでしたが,FBのキース・スミスは地味にPFFグレードが1位/12人だそうです.ここに関しては特にいうことはないでしょう. 

 

TE

55点 F (±0)

ヘイデン・ハースト 65点 C

ルーク・ストッカー 45点 F

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 3年目のハーストはWeek11-14で失速し,Week15以降は3試合連続でTDとなんとか盛り返しました.今シーズンはレシーブの後すぐに捕まって悔しがってる場面が多かった印象です.昨年まで在籍していた現CLEのオースティン・フーパーの3年目と比較すればそこまで大きな差はないですが,フーパーの方がレシーブが上手いのは事実.現状,点数はそこまで高くありませんが,ここから伸びていくと信じているので現状そこまで心配していません

 ベテランブロッキングTEのストッカーは,後半はレシーブでの1stダウン獲得や,ヒルの62Ydsゲインの際のブロックなど良い場面もあったが,それだけ.ハーストが1番手の中の2番手と考えるとどう考えても物足りない.

 一応,3番手のグラムもいますが,前半と同様いつ出ていたか分からないレベル.

 ドラフト中位くらいでとった方が良さそう.

 

OL

60点 C (-10)

LT ジェイク・マシューズ 70点 B (±0)

LG ジェームズ・カーペンター 55点 F (-5)

C アレックス・マック 65点 C (-5)

RG クリス・リンドストロム 80点 (±0)

RT カレブ・マクゲイリー 60点 C (-5)

 前半戦はランブロ,パスプロともにグレードアップとポジっていましたが,後半は強力なDLを誇る相手を前に苦戦.サック数に関してはライアン持ちすぎ問題もありますが,前半9試合で19だったのが後半7試合で21.試合平均で約1増えています.ESPNによればPass Block Win Rateは57%でリーグ16位,Run Block Win Rateは69%で28位.全体としては現状は平均より下くらいでしょうか.

 また,後半はLGカーペンター,Cマックは怪我でそれぞれ3試合,2試合欠場.その代役をLGにゴノ,Cにヘネシーが入りましたが,悪くはないけど別段良くもないという感じ.ヘネシーに関してはFAとなるマックの後釜が期待されているので良い経験になったのではないでしょうか.

 昨年のドラ1コンビはRGリンドストロムはPFFグレードは9位/84人と順調に成長,一方でRTマクゲイリーは56位/83人とかなり微妙.マクゲイリーに関してはパスプロが甘い部分があり,相手のスターパスラッシャーはなかなか止められていません.特にキャメロン・ジョーダン.

 同地区のチームはどこもDLが優秀で力のあるパスラッシャーを揃えているので,それをしっかり抑え込めるOLの構築は地区を生き残る上でマスト.

  可能性は低そうですが,ドラフト4位でオレゴン大のスウェルが取れるならば,指名もなしではないと思ってます.

 

ディフェンス

DT

75点 B (-5)

グレイディ・ジャレット80点 (-5)

タイラー・デヴィスン 50点 (+10)

ジョン・コミンスキー 60点 C 

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 試合あたりのラン喪失ヤードが95.6Ydsでリーグ6位と優秀だが,相手のラン自体がリーグで2番目に少ないのと,1キャリーあたりの喪失ヤードが4.4Ydsでリーグ15位と盤石というわけでもありません.

 このユニットの大黒柱であるジャレットは後半少し調子を落とした感はありますが,パスラッシュ,ランストップともに高水準.

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  残りのデヴィソンとコミンスキーはそこまで大差はない印象ですが,現状コミンスキーの方が良いかなと思っています.

 このポジションに関してはファルコンズD#の中では相当優秀な方なのでドラフト上位での優先度は低いかなと思います.ただ,実際Week2, 17で怪我で離脱した際の影響を見ればわかるようにジャレットありきなのは事実なので,彼以外の面子の成長に期待したいところです.

 

DE

30点 F (±0)

ダンテ・ファウラーJr. 40点 F (±0)

ティーブン・ミーンズ 35点 F

ジェイコブ・トゥイオティ=マリナー 45点 F

アレン・ベイリー 30点 F

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 間違いなくリーグ最低レベルのユニット.Pass Rush Win Rateは49%でリーグ4位という驚きのデータがあるが,これはほとんどDTジャレットのおかげ.(ちなみにRun Stop Win Rateも4位.)実際,サック数も全員ジャレット以下.

 まず,パスラッシュ増強のためにFAで補強したファウラーは見事に爆死.シーズン3サックはキャリアワーストで,去年の11.5サックはやはりチームにドナルドがいたからなのかもしれない.来年以降サラリーが上がるので,このままの状態が続くと近年最低レベルのFAバストになる可能性.

 ミーンズ,ベイリーのベテランコンビはまあこんなもんでしょうという成績ですが,そもそもこの二人のスナップ数がポジション内1位と3位の時点でこのチームのDE事情がいかに終わっているかがよくわかります.

 トゥイオティ・マリナーはWeek12で週間MVPを獲得というサプライズがありましたが,その後は目立った活躍はなし.

 ドラフトのニーズ的には一番優先度が高いと思っています.しかし,残念なことに一昨年のボサ,去年のヤングのように最上位で指名するのにふさわしいプロスペクトが不在なのが非常に痛い.また,ドラフトだけでは不十分かつ,FAで大型契約も非現実的なので,現状のメンバー,特にファウラーの復活やトゥイオティ・マリナーの成長が不可欠

 

LB

80点 A (±0)

フォイエ・オルオクン 75点 B (±0)

ディオン・ジョーンズ 75点 B (±0)

イカル・ウォーカー 75点 B

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 まず,ブレイクイヤーとなったオロウクンはタックル数チームトップ,FF4はリーグ4位T(同率10人)でした.特に,チーフス戦のレッドゾーンでのINTが印象的でした.

 ディオン・ジョーンズはタックル数は6試合に出場に終わった18年以来最低の数字(ちなみに16年は16試合換算で約140ペース).一方,サック数はキャリアハイかつチームトップでしたが,これはパスラッシュが掛からずブリッツを多用した結果かもしれません.

 ウォーカーは今年のドラフトで1番の掘り出し物.スナップ数はが少なく,ビッグプレーがあったというわけではありませんが,PFFグレードはルーキーLB中1位,ファルコンズのD#選手全体でも2位.バレージグレードは90.7152回のカバレージスナップで74Ydsしか許していないそうです.さらにPFFのオールルーキーチームにも選出.来年のブレイク候補.

 突出した選手がいるわけではありませんが,3番手まで高いレベルでまとまっています.さらに,オロウクン,ウォーカーという期待の若手もいる分,ファルコンズD#で希望のもてるポジションでしょう.

 

CB

35点 F (-15)

A.J. テレル 60点 C (-10)

アイゼア・オリバー 45点 F (-5)

ケンドール・シェフィールド 30点 (±0) 

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f:id:majorana0923:20210111214915p:plain(写真2枚目に関してはPro Football Referenceより)

 

 まず,ドラ1テレルは前半戦は良かったものの,後半はマイケル・トーマス,マイク・エバンスらリーグ有数のWR相手に良いようにやられてしまいました.いずれも同地区の選手ゆえ来年以降も多く対戦することになるので,今年の反省を生かして欲しいところ.

 オリバー,シェフィールドは成功率70+%, Rate120近くということで,少なくともスターターのレベルではありません

 若手は苦戦しましたが,ベテランは予想を超えるパフォーマンスを見せました.

デナードは8試合の出場に留まりましたが,かなり安定していたと思います.しかし,終盤のTBとKC戦に出ていないので,そこでスタッツが荒れていた可能性もあります.

レ・ウィルソンはスナップ数は少ないですが,INT数はチームトップ,さらにCAR, LAC戦で2minで2回のINTと勝負強さが光りました.

 パスD#は成功率26位,YPA28位,喪失ヤード32位,TD30位,Rate27位,20+Ydsのパスの成功数32位とあまりにも悲惨.ドラフト上位で指名したいところですが,最優先がエッジラッシャーであること,大型補強するお金もないこと,デナードとレ・ウィルソンがFAであることを考えると重点的な投資は難しそう.そのため若い面子の成長が不可欠ですが,オリバーとシェフィールドじゃなぁ......

 

S

65点 C (-5)

キアヌ・ニール 70点 B (±0) 

リカルド・アレン 60点 C (±0) 

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  ニールはここ2年間ほとんど出場していなかったことを感じさせないパフォーマンスでした.

 アレンは今シーズンに関してはCBですが,一応本職の方で載せておきます.正直,成績はすこぶる微妙ですが,DBに関しては頭数が足りないので,妥協せざるを得ないという感じ.パスカバーに関してはビッグプレーに(悪い意味で)関与することが多かったです.

 このポジションに関しては,今シーズンがどうだったかというより来シーズンがヤバい.1番手のニールに加え,今シーズンは怪我で4試合しか出ていませんが,18年のINTリーダー,ケイズィーがFA. ここもドラフト上位指名の優先度は高め.

 

スペシャルチーム

K

75点 B(+5)(ヤンウェイ・クー)

 37/39で成功数1位(フランチャイズレコード),成功数は3位,50+Ydsは8/8,プロボウル初選出と大躍進のシーズンになりました.一方で,試合を決定する場面でのキックがほとんどなかった,さらにはKC戦でのOTがかかった場面での失敗等もあり,オールプロには選ばれませんでした.今年FA.

 

P

55点 F(スターリング・ホフリッチャー)

 スターターでは平均Ydsが最下位,その他スタッツも低水準ですが,ルーキーイヤーは大目に見ると決めたので我慢.(それにしてもパントが有利にはたらいた場面はほとんどなかったなぁ.)

 

まとめ

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 シーズン通してのPFFグレードは以下の通り.

 個人的な2020シーズンのMVPは......

O#:カルビン・リドリー WR

D#:フォイエ・オルオクン LB

にしておきます.惜しくも落選はRGリンドストロム,Kクー.正直,MVPは勝利にどれだけ貢献したかで決めるべきだと思っているのですが,如何せん4勝しかしていないので該当者とめちゃくちゃ迷いました笑

 

 開幕前の記事では,「終盤までプレーオフ争いに絡むこととと,貯金を作ること」が個人的な願望と述べましたが,見事に期待を裏切られる形に.Week2のDAL戦を落としていなかったら全てが変わっていたかもしれないと思うと悔しいシーズンです.

 来シーズンは新GM,HCの下,新生ファルコンズに期待したいところですが,まず待ち受けるのが絶望的なキャップ事情.ライアン(40M),フリオ(23M),ジャレット(20M),マシューズ(20M)の4人だけで約100Mという地獄.さらに,全体のキャップも今年より下がるため,この4人で半分以上占有することになります.また,現状すでに30Mほどオーバーしており,補強はほぼドラフトに頼るしかない状況です.それゆえに今持っている全体4位の使い方が,チームの未来にとっていかに重要かは言うまでもありません.

【MattyIce通信2020】Week17 vsバッカニアーズ

振り出しに戻る

 

 2020シーズンもようやく最終週.この17週間を長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれだと思いますが,ファルコンズファンの私としてはようやく終わるという気持ちしかありません.

 対戦相手は@バッカニアーズということで2週間前のリベンジ!と行きたいところですが,ドラフト順位的には負けた方が美味しいという......

 

試合の感想

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  圧倒的敗北.前半は先週と打って変わって13点ビハインドの展開で,このまま虐殺モードに入るかと思いましたが,3Qから追い上げ,4Q終盤まで3点で食らいつきます.

しかし,4QにD#が踏ん張り切れず,O#も単調になりそのまま点差をつけられて終了.この試合も例によって途中までいい感じだったのでとても悔しい!!!

 

オフェンス

 この試合もWRフリオとCマックが欠場でしたが,TBのD#もLBホワイト,バレットという主力が欠場.同時にWeek15の前半のようにうまくはいかないよねというところで得点としては同じ27.

 しかし,今まで見られなかったミスが続出.

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 おいおいWeek17だぞとツッコミを入れたくなる酷いハンドオフ.特に2つ目に関してはハンドオフとほぼ同時にライアンが#31をブロックしなければいけなくなり,結果RBの方から目線を切ってボールが収まらないという今シーズンでも屈指の糞プレー

 

 そして4Q3:18, 1st&10からリドリーのファンブル.この日は他にもドロップも2つ,エンドゾーンで取って欲しいパスというのも1本ありました.リドリーは普段のパフォーマンスは素晴らしいのですが,ここぞの場面で輝けず,ドラ1としては若干物足りません.2番手として考えれば間違いなくリーグトップクラスなのですが......

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 結局ターンオーバーから17点失っているので,O#の地力はそこそこだけど拙攻が続いてしまったというところでしょうか. 

 

 また, OLはTBとのレベルの違いを痛感しました.先週に引き続き,Cマックの代役を担うヘネシーは,先週は3ペナルティで悪目立ちしたものの,この日は悪くはなかったと思います.良くもないけど.

 

 ランに関しては,恐らくシーズン最長の62Ydsのゲインが飛び出しましたが,それを差し引くと平均2.6Ydsと相変わらず.

 ガーリーはもはやスクリメージを超えるだけでよくやったと思えてしまうレベルになってしまった.エンドゾーン手前での押し込みももうできません.

 

 そして,大きな課題の一つであるレッドゾーンO#の酷さは顕在.一応3/5でTDということですが,この3回も3rd&17だったり,4thダウンだったりとなかなかスムースにいきません.レッドゾーンまではある程度うまく進み,そこから一気に急ブレーキがかかるO#は最後まで治りませんでした. 

 

ディフェンス

 D#に関しては酷すぎてビデオ見直してません!ごめんなさい!

 2週間前の後半から恐らく全てのほぼ全てのドライブで得点されています.この試合も,最後のニーダウンと不運なINTを除けば全て失点しています.では具体的に何が良くなかったのかというと,あくまでライブ観戦時の感想ですが,何もよくありませんでした.

 

 まず,DB陣が相手のレシーバー陣に対して完全にこの力で負けている.加えて,パスラッシュが全くかからない.これでブレイディを止められるはずがありません.南無

 

 さらに,シーズン序盤に連発していたようなファルコンズクオリティも炸裂.27-30で3点差に迫ってからの残り8:19からのドライブでは,DEファウラーのサックから3rd&12まで追い詰め,ここを止めると一気に流れが来るぞという場面で47Ydsのパスを通されるという体たらく.

 

 この試合のPFFグレード上位2人はスナップ数の少ない選手で,この評価からも何も前向きに捉えられる点がないことがわかります. 

 

スペシャルチーム

 Kクーちゃんは先週の傷が癒えたのかはわかりませんが一応短いFGを2/2で成功.

 WRクリス・ローランドのキャリア初のキックオフリターンはまずまずでした.スピード結構ありそうで,来年も見てみたいなと思わせてくれました.

 

ライアンのパフォーマンス

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 ひっどいハンドオフを除けば,そこまで悪くはなかったのかなと思います.ただ,結果的に勝てなかったわけなので良いパフォーマンスとは言えません.いつもと同じです.

 一応,ここ3試合での成績は割と良いのですが,サークOC2年目の18年のようにD#は完全崩壊してどれだけ点をとっても無理!というわけではなく,普通にO#で詰めきれない状態だったのが辛いところです.

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 一応,シーズンのパスヤードが4,581Ydsとなり,通算7度目の4,500Yds越えということで,あと1回でブリーズのもつNFL記録8度に並びます.

また,キャリア13年でのパスTDが347本となり,ファーブを抜いて歴代4位になりました.

 

同地区の様子

ニューオーリンズ・セインツ(12-4) @CAR W 33-7
タンパベイ・バッカニアーズ(11-5) ATL W 44-27
カロライナ・パンサーズ(5-11) NO L 7-33

最終的には堂々の地区最下位,というかNFC最下位

 

 

次戦への期待

 レギュラーシーズンはもう終わりですが,一応11月に投稿した通信簿のシーズン全体版とMattyIce通信の2020年振り返りの記事を来週再来週で書けたらなあと思っています.今季の感想やドラフトについてはそちらの方でまとめる予定です.ということで来週再来週の自分に期待.

 

画像出典元

https://www.atlantafalcons.com/photos/

https://nextgenstats.nfl.com/ 

 

【MattyIce通信2020】Week16 vsチーフス

結果は想定内,内容は想定外

 

 怯えながらもなんだかんだ楽しみにしていたチーフス戦(13-1).勝ち負け以前にリーグ最強のパスO#がリーグ最弱級のパスD#と対峙するとどうなるのか1NFLファンとして興味がありました.しかし,結果はまさかの......

 

試合の感想

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 リーグ最強のチームを相手にまさかの善戦.スコアを見れば分かる通り,D#は非常に粘り強く守っていました.しかし,O#で流れを掴みきれず,サックやターンオーバーがあったりと,フラストレーションの溜まる内容でした.

 最終的にはオーバータイムまでもつれるかと思いましたが,プロボウラーKヤンウェイ・クーが39Ydsをまさかの失敗.そのまま試合終了となりました.タイムアウトやチャレンジなど香ばしい場面は多々ありましたが,終わってみれば良い試合だったと思います.

 正直,予想を遥かに越える好ゲームだっただけに,負けたのは非常に悔しい.これで4連敗なわけですが,全て5点差以内です.接戦を落とし続けているわけですが,NO,TB,KCといった相手に善戦したということは前向きに捉えても良いと思います.

 

オフェンス

 エースWRフリオ・ジョーンズ,Cアレックス・マック,LGジェームス・カーペンターがアウト.

 先週はランD#リーグトップのTBに対してパス偏重のO#を展開しましたが,前半はほとんど半々,4Qはほぼパスでトータルはパス6ラン4の普段通りの数字に落ち着いています.

 ここしばらく壊滅していたランO#に関してはコンスタントにゲインできていました.RB1に昇格したイトー・スミスは10キャリーで46Yds,ブライアン・ヒルは7キャリーで51Yds,トッド・ガーリーは4キャリーで16Ydsとまずまずの結果.ヒルとガーリーに関してはレシービングでも貢献(当社比).エース級がいない中でうまく併用できていたと思います.

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 ↑久しぶりの気持ちの良いラン

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↑今シーズンでは珍しいガーリーのナイスレシーブ.

 

 パスO#に関しては,フリオがいない中で先週と同様多くのレシーバーに投げ分けるということはできていました.特にカルビン・リドリーは5rec, 130Ydsという素晴らしいパフォーマンス.

 ライアンのスタッツからも分かるように成功率も高く,ビッグプレーもチーフスに負けず劣らず出せていましたが,大事な場面でコールが酷かった.例えば,3QでマホームズからINTを奪った直後のドライブ.2連続でサックを受けて3凡.ライアンの持ちすぎもありますが,レシーバーがあまりにもオープンになれずなす術なしといった感じ.

 

 また,4Q最後のドライブ,敵陣21Yds,1st&5から3プレー全てインコンプリート2度のブリッツには全く対処できず,残りの1回もプロテクションが崩壊.あまりにも簡単にやられすぎです.

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 この試合では先に述べたように,OLのスターターが欠場.Cマックの代役はマット・ヘネシー,LGカーペンターの代役はマット・ゴノでした.2人ともPFF的にはかなりの辛口評価でしたが,個人的には予想よりは良い出来だったと思っています.特にヘネシーは将来的にマックの後釜になることが期待されているので,ペナルティ3度はいただけませんが,しっかり反省して気持ちを切り替えて欲しいですね.

 

ディフェンス

 まず,パスラッシュはEGDEが弱いこともあって内側からしかかからず,マホームズをなかなか捉えきれずにケルシーに通されるというパターンが何度かありました.また,タイリーク・ヒルやハードマンらの俊足WRのジェットスイープもなかなか対処できませんでした.

 しかし,この試合はパスカバーが非常に良かった.今シーズンベストだったと思います.ケルシーはわかってても止められませんでしたが,タイリーク・ヒルへのロングパス等のビッグプレーはほとんど許さず.マホームズのレーティング79.5はなんと今シーズンワースト!17得点も最少!

 そして,チーフスを17点に抑えられた最大の要因は2度のターンオーバーでしょう.

ニールのINTに関しては弾いた方が良かったですが......

今シーズンブレイク中のオルオクンの完璧なINT.

 

 総じて素晴らしい守りだった分,最後のドライブは悔いが残るものとなりました.まず,3rd&10でケルシーがワイドオープンになるという失態.そして,極め付けがルーキーCB A.J. テレルのINT未遂ファルコンズなので取っていれば勝ち!ではないかもしれませんが,取ってたらシーズンベストのファインプレーになっていたでしょう.結果はドロップですが,ヒル相手に勝利したというのは事実なので自信を持って欲しいですね.

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スペシャルチーム

 クーちゃんはついにやっちまった.Twitterでも言われていましたが,今シーズン成功数は多いものの,試合を決める局面でのキックがほとんどなかったというのが響いたのだと思います.これが前任のブライアントだったら,ショックで寝込むところでしたが,クーちゃんは昨年も重要な局面で外していましたし,正直外しちゃったかぁ......という気持ちです.また,手のひらグルグルが始まるかもしれません.

 リターナーは今年のUDFAクリス・ローランドが昇格!するもリターンはなし.むしろ,ボールを見送ったせいでフィールドポジションが不利になる場面が2度ほどあり,なかなか厳しいデビューとなりました.

 

ライアンのパフォーマンス

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 スタッツだけでみればマホームズを上回る内容.特に成功率は今シーズンベスト,YPAとレーティングは3位と"数字上"は申し分なし.Game Winning Driveは現役3位ながら今シーズンは未だ0です(ライオンズ戦......).NO戦,LAC戦やこの試合のようにあと一歩のところまでは行けるんですが,今年は最後の最後で詰めきれません.実際,プレーコールがマズかったり,フリオの不在が影響しているのは事実ですが,流石にこの状況が続くようではQBの座も安泰とは言い難いでしょう.頼むぞライアン!

  

 ハーストへのお洒落なショベルパス.チーフスがよくやる印象.SSニールのINTから98YdsのドライブをTDを締めることができたのは非常に良かった.

 

 トレッドウェルはここまで4tgt, 4rec, 34Yds, 2TDと少ないチャンスを確実に生かしています.来週フリオが出場できるかは不明ですが,レッドゾーンでのターゲットとして期待できそう.

 

 ドラフトは現在4位まで上がり,QB指名の雰囲気が漂ってきました.私はもちろん下げて欲しい気持ちの方が強いですが,正直今年のオフは覚悟を決めなければならないかもしれませんね.

 

同地区の様子

ニューオーリンズ・セインツ(11-4) MIN W 52-33

 カマラが6TDラン.カマラ”は”好きなので嬉しい.

タンパベイ・バッカニアーズ(10-5) @DET W 47-7

 DETが少し気の毒ですが,43歳でレーティング満点って......

 ちなみにライアンは一度も満点はないです.

カロライナ・パンサーズ(5-10) @WAS W 20-13

 この1勝はファルコンズ的にはもの凄く大きい.ハスキンス......

 

次戦への期待

 来週は再びTB12.最終戦の@Tは3シーズン連続ということでもはや恒例行事のようになっている.D#は先週完全に攻略されてしまったので,それに対してどう準備してくるのかは見ものです.基本的にTB12相手には何点あっても逆転される可能性があるので,後半でのアジャストにも注目してみたい.特にテレルはエバンスに一矢報いて欲しいところ.O#はライアンがあと184Ydsで7度目のシーズン4,500Yds,リドリーはあと78Ydsでシーズン1,400Ydsとなるのでこの辺りの個人記録だけ達成してもらえれば.

 来週負けると5連敗で始まり5連敗で終わるということになります.相手が相手ということもあり勝って欲しい気持ちもありますが,負けるなら負けるで派手な負け方はしないで欲しい.悲しいですが,今はあと1週で開放されるという気持ちが強いので......

 

画像出典元

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【MattyIce通信2020】Week15 vsバッカニアーズ

悪夢再び

 

 ついにTBもといTB12との対戦.フランチャイズとして一度も勝ったことがなく(この試合の前まで0勝6敗),彼が引退する前に死んでも勝利をもぎ取りたいところ.

 しかし,この日もエースWRフリオ・ジョーンズが欠場,さらにDBのリカルド・アレン,ダクエズ・デナードといった主力も欠場し強力なTBのパスO#に破壊されるのではないかという戦前の予想でした.

 

試合の感想

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 今シーズン何度目かわからない"Falconing"発動.

 前半は17-0,D#はトータル60Ydsしか許さないほぼ完璧な内容.ライアンのやや危険なスローもINTにはならず,運も味方しているように思えました.

 しかし,後半は相手のO#に完全にアジャストされ,31失点.こちらのO#は後半最初のドライブこそ悪くありませんでしたが,4Qの結果的にFGとなったドライブでTDが取れなかったのが決め手になったと思います.敵ながら最高のプレーでした.

 初めてビハインドで迎えた4Q2:44のドライブで手も足も出ず.こういうところがファルコンズ.結局,17-0から何事もないかのように逆転負けを喫しました.15点差以上の逆転負けは今シーズン3度目.そろそろ4Q専門のコーディネーターでも採用した方が良さそう.悔しさが倍増するだけなので負けるなら普通に負けてくれ.

 

オフェンス

 前半は準備してきたことは実行できていたと思います.ファルコンズのプレー割合はWeek14までで大体パス6ラン4でしたが,この試合は約8割がパスプレーでした.これはランO#が次第に崩壊していることもありますが,WRカルビン・リドリー,ラッセル・ゲイジを中心に多彩なレシーバーに投げ分けることでフリオの不在をカバーしつつ,ライアンの良さ生かすという目論見だったと思います.実際,終盤までは割と上手くいっており,普段のパスO#の窮屈さはなかったと思います.

 また,知らない間にレッドゾーンO#がリーグワースト2位になっていたみたいですが,2/3としっかり決めることができたのではないかと思います.欲を言えば前半で21-0にしておきたかったですが.

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 後半も最初のドライブは前半のパスヘビーがまだ通用しており,追い上げられる中でモメンタムをしっかりキープする流れに思えました.(ちなみにこれはカウボーイズ戦と全く同じ流れです)

 

 しかし,それ以降は相手の追い上げの勢いに飲まれ,明らかに焦りが出ていました.

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↑ミスではないかもしれませんが,取って欲しかったなあ.

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↑これは明らかなミスコミュニケーション.

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 ミス自体は仕方ありませんが,起こるタイミングが悪い.3Qから4Qにかけての2連続パントで相手は完全に勝てるムードになっていたと思います.

 

 とはいえ,レシーバー陣は素晴らしいパフォーマンスだったと思います.リドリーは10rec, 163Yds, 1TDと完全にエースの働き.100Ydsゲームは7試合となりこれはリーグ最多だそう.また,ゲイジも5rec, 68Yds, 1TDとまずまずの内容でした.

 問題はやはりランO#.ガーリーとヒルで合計6キャリーで-3Yds.論外.イトー・スミスは相変わらず無難にやってくれていますが,ランO#全体のタレントレベルは全く足りていません.この試合のようなパスでしか進めない状態ではやはり終盤に限界が来ますし,最近のファルコンズの傾向的にそれは確実に逆転負けにつながります.下の二人とはおさらばした上でドラフト上位でRB1となれる選手の指名はマストでしょう.

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 ガーリーはかなり深刻なレベルまで来ています.ランはWeek7以降8試合で平均2.61Yds,スナップ数もどんどん減少しています.また,パスブロックでも大きなミスをするなど前半とは完全に別人,下手したら去年のフリーマン以下まであります.

 試合翌日にはどうやらデプスに変更があったようでRB1がスミス,RB2がガーリー,RB3がヒルとなりました.まあ妥当でしょう.

 

 TE陣はハーストにWeek6以来のTDレシーブ,ストッカーも奇跡のレシーブがありました.また,3番手ジェイデン・グラムの存在感が出始めているのも良い傾向だと思います.

 

 全体としてはパスヘビー&ラン壊滅という去年の状態に逆戻り.シーズン序盤はランの比重を増やして地上戦もリーグ平均くらいにはできていましたが,結局振り出しに戻った感があります.パス重視自体は個人的には良いと思うのですが,後者が重症すぎて4Q戦い抜くのがかなり厳しい状況です.

 

ディフェンス

 前半は60Ydsに抑え,ブリッツも思うように決まり,無失点と最高の立ち上がりでした.ただ,よく守れてはいましたが,TB側がショートパス中心で慎重すぎたという気もしています.素人の私からすれば,エバンスにふんわりを投げ続けられるだけで崩壊されられると思っていたので.

 しかし,後半は完全に開幕直後のファルコンズD#でした.試合展開的に,TB側はパス中心のO#を展開するのは自然な流れですが,パスD#が下から2位のファルコンズはこれをわかっていても全く止められません.なので前半から同じことをされていたら一方的な試合になっていた可能性も十分あります.エバンスはルーキーのテレルでは歯が立たず,7tgt, 6rec, 110Yds.ブレイディは後半だけで21/29, 320Yds, 2TDと大暴れ.1プレー平均10Yds近く進まれていたので,投げるだけで1stDownという完全にお手上げな状態でした.

 また,試合序盤はなかったペナルティが終盤で出始めたというのも試合運びの下手さが出たのかなと思います.

 

  

スペシャルチーム

 クーちゃんはオールプロに一歩前進.さらにこの試合で今シーズンのFG成功数が35となりフランチャイズ記録に.FGが多いのは必ずしもO#としては良いことではないかもしれませんが,こういう時期にしっかり結果を残してくれたのは嬉しいです.

 

ライアンのパフォーマンス

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  スタッツ自体は久々に見れる数字が並んでいますが,それで負けるというのが最近のライアンらしいといえばらしい涙.ここ最近50%前後を彷徨っていた成功率は7割近くを記録しましたが,TBのパスD#の被成功率がかなり悪かったのでそれは想定内です.危うくINTというパスは何本かありましたが,全体的にレシーバーとの息はぴったりだったと思います.FBキース・スミス,TEルーク・ストッカーといったレシーバー陣からビッグゲインが生まれることも多く,投げ分けという観点で見れば今シーズンベストだと思います.11人へのパス成功はキャリアハイです.

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また,先週の記事で「現状のO#ではPA中心で10-20Ydsのゾーンを広く使うのが一番良さそう」と書きましたが,PAではありませんがスクリメージから10-20Ydsというレシーバー陣のホットゾーンは上手く使えていたと思います.

 

 また,記録系に関しては通算パスTD数が単独歴代10位になりました.来シーズン中にはイーライ・マニングを抜いてトップ10入りできるはずです.

 あと,地味にこの試合で10年連続パス4,000Ydsを達成.私の記憶が間違っていなければ多分これを超えるのはブリーズしかいないので,こちらの方が凄いかもしれない.

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同地区の様子

ニューオーリンズ・セインツ(10-4) KC L 29-32

ブリーズが復帰.マイケルトーマス不在,あるいは怪我の影響が残っているのか,ブリーズ自体のパフォーマンスは低調でしたが,なんだかんだで接戦に持ち込むあたりは地力が高いんだなあと思います.ただ,それを上回るKCの強さは別格.

タンパベイ・バッカニアーズ(9-5) @ATL W 31-27
カロライナ・パンサーズ(4-10) @GB L 16-24

熾烈なドラフトレース.

 

次戦への期待

 来週はNFL最強チーム,チーフス(13-1)との戦い.ついに全世界のライアンファン待望のvsマホームズです.チーフスはその成績が表しているように,リーグ全体でも突出した力があります.やはりその最大の強みはO#であり,ファルコンズが2試合で26点しか取れなかったセインツ相手に32得点.マホームズヒル,ケルシーといったチート級の選手達と多彩なプレーコールでビッグプレーを量産し,地上戦ではエドワーズ・イレーア(怪我で出てこないかも)とレビオン・ベルともう言うことなし.完璧.D#も水準以上で単純な力の差で見れば56-17くらいが妥当なスコア予想です.

 本気で勝ちにいくなら,O#がしっかり時間を使ってマホームズにボールを持たせず,25-30点の勝負に持ち込むというのが一番現実的ですが,今のランO#では流石に厳しそう.

 今のモチベーションはライアンの4,500Ydsとドラフトくらいなので,マホームズを見る気持ちで,決して変な期待をせず見守りたいと思います.

 

 また,試合翌日には今年のプロボウラーが発表.ファルコンズからはクーちゃんことKヤンウェイ・クーとDTグレイディ・ジャレットが選出.

 クーちゃんは今季35/36で成功数リーグトップ,成功率もリーグ3位,50Yds以上は8/8と圧倒的な安定感を見せています.序盤はPATのミスで信頼を勝ち取り切れていませんでしたが,最近は完全にクー神.納得の選出だと思います.

 ジャレットはTBとの試合でPFFグレードはかなり下がってしまいましたが,通年では高いレベルのパフォーマンスが続いています.pass rush win rateはリーグ2位,run stop win rate は8位(12/16時点)とファルコンズDLで孤軍奮闘しています.

 

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【MattyIce通信2020】Week14 vsチャージャース

It was just a poor throw.

 

 Week14はチャージャース(3勝9敗)のホームに乗り込みました.成績だけ見れば互角以上の戦いができそうですが,スタッツ自体はチャージャースが上.加えてファルコンズはWRフリオ・ジョーンズ,RTカレブ・マクゲイリーが欠場.元々低調なO#にとっては大きな痛手です.D#で粘って20点前後の試合にするしか勝ち筋はなさそうという戦前の気持ちでした.

 

試合の感想

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 3Qまでの内容が全て吹き飛ぶくらいの4Qの濃さ.お互いにミスを連発し合った中で最後にミスをしたファルコンズが負けました.

 この敗戦でファルコンズプレーオフの可能性が消滅.私自身のシーズン前の希望は「貯金を作る」と「プレーオフ争いに終盤まで絡む」の2つでしたが,貯金はおろか開幕5連敗で実質シーズン終了と見事に裏切られる形になりました.

 

オフェンス

 これがコエッターの限界という感じ.フリオがいない中で壊滅しているランO#中心でいくのかどうか気になっていましたが,序盤からパス中心.しかし,今までのような単調なパスO#ではなく,スペシャルプレーを絡めたり,積極的に奥を狙ったり変化を加えようとしているのは伝わってきました.また,元ドラ1で今年はPS暮らしの長かったラクオン・トレッドウェルにもTDが飛び出すなど,"前半は"まずまずの内容でした. 

 しかし,問題は後半.4回のドライブ全てで敵陣まで進んだものの,パント1回と残りは全てINT.まず最初のINTの場面.私自身はロングのアテンプト自体は奨励している側の人間なのですが,このプレーに関しては無理する必要の展開にもかかわらず,何故タブルカバーのところに投げたのかがイマイチ理解できません.

実は同じようなプレーが前半にもありましたが,これもあまりにも武が悪い.

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4つのドライブのうちパントが1回と述べましたが,そのきっかけとなるプレーが下の映像.正直これが一番酷いかもしれない.恐らくガーリーへのハンドオフからのPAだったと思いますが,ガーリーはライアンの背中側に回ってしまいボールを渡せず,そのまま投げ捨てましたがインテンショナルとなりました.

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このプレーで誰に問題があるのかは諸説あると思いますが,強いチームではまずあり得ないミスです.

 

2つ目のINTですが,これに関してはチャージャースのD#が素晴らしかったと思います.このパスが良い悪いというより,前のプレーでホールディングで10Yds罰退の方が問題.

 

3つ目のINT.これはいうまでもなくライアンのやらかし.本人も「もっと高く,遠くに放らなければいけなかった」と言っていた通り,INTしやすいボールになってしまいました.

 

 スタッツに関してはパスではカルビン・リドリー(8rec, 124Yds, 1TD)とラッセル・ゲイジ(5rec, 82Yds)と奮闘するもそれ以外は沈黙.リドリーはこの試合でキャリア初のシーズン1,000Ydsを達成.8TDは優秀ですが,エンドゾーンでもっと上手く使える方法はあると思っています.

 

 ランは完全に壊滅.ガーリーもヒルも明らかにパワー,スピードが足りておらず,ヒットを受けると一瞬でダウン.どんどん去年のフリーマンに近づいています.現状一番良いRBはイトー・スミスであることは間違いありません.

 

 そしてRBと同じくらい深刻なのがTE.ヘイデン・ハーストはByeまでの9試合で411Yds, 3TDながらBye明けの4試合は64Yds, 0TDと元気がありません.また,Ydsだけではなく,54Tgtで37recだったのが,17Tgtで6recとパス自体が通らなくなっているのに問題があります.2番手のストッカーは論外.3番手のグラムは最近ようやく顔を出すようになりましたが,ポジション全体としてはかなり厳しいものがあります.

  

ディフェンス

 失点は20ですが良く守れていたとは言い難い内容でした.パス,ラン共にビッグプレーを許す場面は少なかったですが,ランやスクリーン,ショートパスがなかなかとまらず.それにより,ポゼッションをコントロールされ,本来こちらがやりたいO#を相手に展開されてしまいました.これはスタッツにも明確に現れており,QBハーバートはYPAは5.5Ydsながら成功率は81.8%,RBオースティン・エクラーはラン79Yds(平均5.3),パス67Yds(9Tgt, 9rec)と暴れさせたとまではいかないものの,なかなか止められませんでした.

 注目のルーキーA.J. テレルも相手のエースWRキーナン・アレンを止められず,タックル数がどんどん増えていくというもどかしい状況でした.オリバーは論外.パスD#自体はシーズン序盤に比べればだいぶ良くなったと思いますが,パス成功率の高さ(69.6%はジェッツ,ジャガースについでワースト3位)が一向に改善されません.

 

 今日の唯一のビッグプレーは4QでのCBブリーディ・レ・ウィルソンのINT.勝負を決めるプレーになるはずでしたが......

 

スペシャルチーム

 クーちゃんは1/1.ホフリッチャーのパントは普段より良かった気がする(当社比).ようやくNFLに順応してきたのかもしれない.

 

ライアンのパフォーマンス

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 スタッツは相変わらず酷く,この試合は戦犯は間違いなくライアンですが,それでも,試合全体で見ればものすごく悪いパフォーマンスだったとは思っていません.パス成功率も回復しましたし,3rdDownでのリドリーやゲイジとの呼吸は見事でした.

 ロングのアテンプトは増えていますが,全く通っていません.なまじ精度が良いので,タイトなところへ投げると大体INTされている印象です.ロングパスが欲しいのは事実ですが,現状のO#ではPA中心で10-20Ydsのゾーンを広く使うのが一番良さそう.

 ここ4試合かなり酷いスタッツですが,シーズン成績もだいぶ不味くなっています.

 まず,パスYdsは3,660Yds(5位)とだいぶ落ちてきており,4,500Ydsまで残り3試合平均300Yds以上とだいぶ厳しくなってきました.パスTDはたったの19,最低でも25は欲しいところでしたが,これも難しそう.INTもキャリア4度目の一桁とはならず,成功率63.7%は2011年以来最低.レーティングも89.3と2015年以来の90以下が現実的です.

 良いOCと出会えればトップレベルの成績を残せる選手なので来年こそは...!

 

 あと,忘れていましたが,地味にプロ13年でのパスヤードがペイトン・マニングを抜いて歴代1位に.来年は通算60,000Ydsが待っています.

 

同地区の様子

ニューオーリンズ・セインツ(10-3) @PHI L 21-24

ヨシッ

タンパベイ・バッカニアーズ(8-5) MIN W 26-14
カロライナ・パンサーズ(4-9) DEN L 27-32

 

次戦への期待

 来週はついについにTB12との決戦.どうやらライアンはおろか,ファルコンズ自体がブレイディに勝ったことがないとのこと.

 現在4勝9敗のチームが多いかつスケジュール強度の関係で勝利数が並ぶと不利になるため,こちらとしてはドラフトのために負けた方が良い,逆にタンパ側からすればプレーオフ争いのためになんとしても勝ちたいと利害が完全に一致していますがそんなことは関係ありません.1度もブレイディに土を付けずに終わるわけにはいかない!

戦力差はフリオがいればなんとかなるはず !!!いれば......ね?

 

画像出典元

https://nextgenstats.nfl.com/ 

【MattyIce通信2020】Week13 vsセインツ

一皮向けて問題点が明確に

 

 宿敵セインツと今シーズン2度目の対決.2週間前は攻守ともに圧倒されQBブリーズがいない中,屈辱的な敗戦を喫しました.そこからD#は上り調子ですが,O#は沈黙.一応この試合でエースWRフリオ・ジョーンズとRBトッド・ガーリーが復帰.一方,セインツはパス,ランともにトップ5とリーグ最強クラスの守備力を誇ります.ファルコンズとしてはD#で流れを引き寄せてO#がそれに応える展開にしたいところ.

 

試合の感想

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 あと一歩,しかしその一歩がとても遠い,そんな試合でした.

 前半はO#が3rdDownを更新できず,D#も3rd&ロングを止められないという厳しい状況でしたが,後半はD#の粘りからO#が意地を見せることができました.実際は相手がFGを外してますし,QBがブリーズだったらもっと一方的な展開になっていた可能性はあります.とはいえ,ここ数年のセインツ戦の負けが屈辱的なものばかりだっとことを考えると,そこまで精神的なダメージはありませんでした.来年は絶対勝ちましょう.

 

オフェンス

 全体を通してみれば納得できるものではありませんでした.しかし,WR陣の実力,ライアンもスタッツは悪いですが優れたQBであることは示すことができたと思います.

 特に4QでのWR陣のパフォーマンスからは絶対に勝つという執念を感じられ,見ているこちらも熱くなりました.

 

 根本的な問題はやはりプレーコール.今シーズンは当ブログでもずっと叩いてきましたが,現地ではOCダーク・コエッターへの不満がピークに.Twitterジョージア州のトレンド1位が"Dirk"でした.

 コエッターといえばパスO#重視のイメージをもたれる方も多いと思いますが,今シーズンは全く通用していません.素人目で見てもパスルートの組み立てが下手.まず,対戦相手に関係なくレシーバーは基本オープンにはなりません.パスプロが持ってライアンがずっとレシーバーを探しているけど結局見つからず投げ捨てるという場面も多々あります.パスが通っているのはほとんどWRの個の力のおかげですが,安定して相手のCBを振り切れるのがフリオくらいなので,計算できるプレーがプレーアクションからのフリオしかありません.また,タイトカバーのレシーバーに無理に投げて失敗(特に5-10Yds)という場面も多く,ライアンのパス成功率もここ3試合で52%と低迷しています.

 さらに酷いのがレッドゾーンO#で,TD率は50%でリーグ29位,レッドゾーンでの被サックがリーグ1位と擁護のしようがありません.

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↑このようなパスは通るけどほとんどゲインできないという不可解なプレーも多いです.

  ここまではパスO#中心に愚痴ってきましたが,ランO#はより深刻です.パスに関してはタレントをプレーコールで台無しにしている感じですが,こちらはタレントも怪しい状況.一番手のガーリーはWeek5までは平均4.75Ydsと期待以上の内容でしたが,Week6以降は平均2.61Ydsと爆死.2番手のヒルの方がマシと思えるくらいにはマズい状況です.しっかりした1番手+イトー・スミスという状況が多分ベスト.特に,この試合の残り1:55で敵陣13Yd,2nd&2の状況で2連続ランを選択し-7Yds.セインツはランD#リーグ2位とかですからね.ライアンやレシーバー陣が繋いだ絶好のチャンスがプレーコールによってぶち壊されました.

ちなみに詳しくは書きませんがTEも依然深刻な状況です.

 

ディフェンス

 はじめに述べた通り,中盤までははかなり苦しかったです.パスラッシュがなかなかかからない,ランでビッグゲインを許す,3rd&ロングが止められない等,開幕当初のD#がチラつく内容でした.

 しかし,後半は最初のドライブこそTDを許しましたが,それ以降はパントx3とファンブル.特に,ファンブルの場面は自陣レッドゾーン内でしたので,これがなければ完全に詰みだったのでファインプレーだったと思います.

  前半と後半で大きく変わった点は特にありませんでしたが,空回りしていた前半と比べて後半は落ち着きを取り戻せたのかなと思います.

 D#全体としては,流石に先週は出来過ぎですが,この調子なら試合が崩壊することはなさそうです.

 選手単位では誰かが特別目立ったということはありませんでした.強いていうならLBディオン・ジョーンズですかね.個人的にはCB A.J.テレルに注目していましたが,WRマイケル・トーマス相手はまだちょっと厳しいかな.ただ,良いプレーもあったので,この先何年も対戦していく中で成長して欲しい.多分,トーマスに無双されなければ世界が変わるはず.

 

スペシャルチーム

 クーはFGに関してはもう言うことなし.もしかしたら,今年のコエッターの最大の功績かもしれない.パントに関してはノーコメント. 

 

ライアンのパフォーマンス

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 スタッツに関しては今週も酷い(特に成功率)ですが,この試合に関してはライアンも被害者.ショートパスの成功率が以上に低いのは完全にコエッター効果です.パフォーマンスそのものはセインツD#が相手であることを考慮すれば,パスもプレー中の判断も冴えていたと思います.

 復帰したフリオとのホットラインはやはり強力でした.

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あっ......(察し)

 序盤の手も足も出ない状況から,終盤は難しいパスを複数通し,あと一歩で逆転のところまでO#を導いたのは見事ですが,D#の強い相手に勝ち切れないという課題は依然として残る形に. 

 

同地区の様子

ニューオーリンズ・セインツ(10-2) @ATL W 21-16

この試合でプレーオフ進出決定.チッ

タンパベイ・バッカニアーズ(7-5) Bye
カロライナ・パンサーズ(4-8) Bye

 

次戦への期待

 来週は敵地でチャージャース(3勝9敗)と対戦.チャージャースはルーキーQBハーバートが華々しい活躍を見せる中,STのミスやD#が粘り切れなかったり等で接戦を物にできていないという印象です(先週は除く).しかし,ファルコンズにはルーキーQB,2年前はメイフィールド(17/20, 216Yds, 3TD, 0INT, 151.2),去年はマレー(27/37, 340Yds, 3TD, 0INT, 128.2, POW)を覚醒させている実績があります.(今年に関してはシーズン終盤のマッチアップという違いはありますが)しっかりパスラッシュをかけ,ロングボムを通される展開だけは避けたいところです.O#に関しては特に期待はしません.個人スタッツだけ見れるものになってくれればOKです. 

 

画像出典元

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